花粉症の鼻の症状に使われる市販の飲み薬には、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン成分」を含む薬や、体質・症状に応じて用いる漢方薬などがあります。抗ヒスタミン成分を含む薬には、有効成分がひとつの製品と、鼻づまりなどに働く別の成分を組み合わせた製品があります。
ドラッグストアには、花粉症向けの飲み薬が多数並んでいます。パッケージが似ていても、配合されている成分、1日の服用回数、使用上の注意は製品ごとに異なります。
薬を選ぶ際は、成分名だけでなく、自分に当てはまる注意点を確認することが大切です。眠気と運転、持病、飲み合わせ。この3つを押さえておくと、迷う場面がぐっと減ります。
この記事では、花粉症の飲み薬に入っている成分の種類を整理したうえで、その3つの注意点と、受診を考える目安を、公的な資料をもとに解説します。
花粉症の飲み薬には、どんな成分が入っている?
厚生労働省の「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」は、内服アレルギー用薬を次のように説明しています。
内服アレルギー用薬は、蕁麻疹や湿疹、かぶれ及びそれらに伴う皮膚の痒み又は鼻炎に用いられる内服薬の総称で、ヒスタミンの働きを抑える作用を示す成分(抗ヒスタミン成分)を主体として配合されている。
さらに、抗ヒスタミン成分に、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる成分(アドレナリン作動成分)や、鼻汁分泌やくしゃみを抑える成分(抗コリン成分)などを組み合わせて配合したものが「鼻炎用内服薬」であるとされています。
同手引きの記載をもとに、配合される成分を整理すると次のようになります。
※以下は「内服アレルギー用薬・鼻炎用内服薬」全体に配合されうる成分の例です。皮膚の症状に使う薬も含む分類なので、すべてが花粉症向けの製品に入っているわけではありません。
| 成分のグループ | 何を目的に入っているか | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| 抗ヒスタミン成分 | ヒスタミンが受容体と反応するのを妨げ、その働きを抑える | クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、メキタジン、ケトチフェンフマル酸塩、エピナスチン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、ロラタジンなど |
| アドレナリン作動成分 | 交感神経系を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させて充血や腫れを和らげる | プソイドエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩 |
| 抗コリン成分 | 副交感神経系の働きを抑え、鼻汁分泌やくしゃみを抑える | ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド |
| 抗炎症成分 | 皮膚や鼻粘膜の炎症を和らげる | グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸など |
| ビタミン成分 | 皮膚や粘膜の健康維持・回復に重要なビタミンを補給する | ビタミンB6、ビタミンB2、パンテノール、ビタミンCなど |
※厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」の記載をもとに作成。ビタミン成分は補給を目的に配合されるもので、花粉症そのものを改善する目的で入っているわけではありません。
有効成分がひとつだけの製品もあれば、複数の成分を組み合わせた製品もあります。どちらの場合も、ほかの薬と併用するときは成分の重複に注意が必要です。後述する「飲み合わせ」の問題は、ここに関係します。
「第2世代」なら眠くならない?
花粉症の薬の説明でよく出てくるのが「第2世代」という言葉です。
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」は、医療機関での薬物療法について「経口薬では第2世代の抗ヒスタミン薬がよく用いられていますが、鼻づまりが強い場合には抗ロイコトリエン薬も使われます」と記載しています。医療の現場で中心に使われているのが第2世代である、ということです。
ただし、製品を選ぶうえで重要になるのは、世代の区分そのものよりも次の点です。
眠気の出やすさや、運転に関する注意の書かれ方は、成分ごと・製品ごとに違います。
「第2世代だから眠くならない」と一括りにはできません。運転に関する記載も、製品によって内容が異なります。
選ぶ際は、世代の区分ではなく、手に取った製品の外箱と添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」を確認してください。
花粉症の飲み薬で眠くなるのはなぜ?運転してもいい?
眠気は、花粉症の飲み薬で起こりうる副作用のひとつです。
厚生労働省の手引きは、その仕組みをこう説明しています。
ヒスタミンは、脳の下部にある睡眠・覚醒に大きく関与する部位において覚醒の維持・調節を行う働きを担っているが、抗ヒスタミン成分によりヒスタミンの働きが抑えられると眠気が促される
ヒスタミンは花粉症の症状を起こす一方で、頭を目覚めさせておく役割も担っています。抗ヒスタミン成分が脳内のヒスタミンの働きにも影響すると、眠気や注意力の低下が起こることがあります。その程度は、成分や使用する人によって異なります。
運転についての考え方
運転に関する注意事項は、製品によって異なります。そのうえで、次の順で考えてください。
- 添付文書に「服用後は乗物または機械類の運転操作をしないでください」と記載されている薬は、眠気を感じていなくても運転しないでください。
- その記載がない薬でも、眠気やめまい、注意力の低下を感じるときは運転しないでください。
- 運転の予定がある方は、購入前に薬剤師・登録販売者に「運転します」と伝え、その製品の注意事項を確認してください。
運転を避けるよう明記されていないことは、安全に運転できることの保証ではありません。
なお、厚生労働省の手引きは一般的な考え方として「重大な事故につながるおそれがあるため、抗ヒスタミン成分が配合された内服薬を服用した後は、乗物又は機械類の運転操作を避けることとされている」としています。独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)も、服用後に運転の支障となるような眠気、注意力の低下、眼のかすみやめまいなどを起こすくすりがあるとし、かぜ薬や花粉症のくすりなど比較的多くのくすりで起こることがわかっている、と説明しています。
環境省の花粉症環境保健マニュアル2022でも、花粉症の薬の中には服用中に眠気や集中力・判断力の低下がおきるものがあるため、運転の機会が多い人や受験生は服用する薬について医療機関に相談するよう案内されています。
持病がある人が確認しておきたい成分は?
処方箋なしで購入できても、誰にでも使用できるわけではありません。
抗ヒスタミン成分で注意が必要な方
厚生労働省の手引きは、抗ヒスタミン成分がヒスタミンの働きを抑える作用以外に抗コリン作用も示すため、排尿困難や口渇、便秘等の副作用が現れることがあるとしています。
そのうえで、排尿困難の症状がある人、緑内障の診断を受けた人では症状の悪化を招くおそれがあるため、使用する前にその適否について、治療を行っている医師または処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである、としています。
ただし、眠気の出やすさも抗コリン作用の強さも、成分・製品によって異なります。注意事項の書かれ方も製品ごとに違うため、持病がある方は手に取った製品の「してはいけないこと」「相談すること」を確認し、使用前に医師・薬剤師へご相談ください。
また同手引きは、メキタジンについて、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがあると記載しています。重い副作用に関する記載は成分・製品によって異なりますので、使用する製品の添付文書で、その製品について書かれている内容をご確認ください。
鼻づまり用の成分(プソイドエフェドリン塩酸塩)で注意が必要な方
鼻づまりに効かせるために配合されるプソイドエフェドリン塩酸塩には、特に多くの注意が示されています。同手引きによれば、
- 他のアドレナリン作動成分に比べて中枢神経系に対する作用が強く、副作用として不眠や神経過敏が現れることがある
- 心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要がある
- パーキンソン病の治療でモノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩等)の処方を受けている人は、副作用が現れやすくなるおそれが高く、使用を避ける必要がある
- 依存性がある成分であり、長期間にわたって連用された場合、薬物依存につながるおそれがある
とされています。
鼻づまりへの効果をうたう製品に、この成分が配合されていることがあります。高血圧や心臓の薬を服用している方は、購入前に必ずその旨をお伝えください。
なお、ここに挙げたのは注意事項のすべてではありません。このほかにも使用できない人や、併用できない薬があります。使用する製品の添付文書を必ず確認してください。高齢の方、腎臓・肝臓の病気がある方、薬でアレルギー症状を起こしたことがある方、通院・治療中の方も、購入前にそのことをお伝えください。
妊娠中・授乳中の方
厚生労働省の手引きは、ジフェンヒドラミンを含む成分について、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が乳汁に移行して乳児に昏睡を生じるおそれがあるため、母乳を与える女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要があるとしています。
ただし、授乳中の注意があるのはこの成分だけではありません。使用できるかどうかは製品によって異なります。薬を使うために自己判断で授乳を中断するのではなく、治療と授乳をどう両立するかを医師・薬剤師にご相談ください。妊娠中の方、妊娠の可能性がある方も、購入前にご相談ください。
環境省の花粉症環境保健マニュアル2022も、妊娠中・授乳中の人は服薬について医療機関に相談するよう案内しています。
▶ 授乳中の薬については授乳中の薬の悩み・注意点|飲める薬・相談先まとめで詳しく解説しています。
ほかの薬との飲み合わせで気をつけることは?
花粉症の薬で注意が必要なのが、成分の重複です。
厚生労働省の手引きは、一般用医薬品のアレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)は複数の有効成分が配合されている場合が多く、抗ヒスタミン成分、アドレナリン作動成分または抗コリン成分が配合された医薬品が併用された場合、同じ成分または同種の作用を有する成分が重複摂取となり、効き目が強すぎたり、副作用が起こりやすくなるおそれがあるとしています。
重複しやすい薬として、同手引きは次を挙げています。
- かぜ薬
- 睡眠補助薬
- 乗物酔い防止薬
- 鎮咳去痰薬
- 口腔咽喉薬
- 胃腸鎮痛鎮痙薬
そのうえで、一般の生活者においては「鼻炎の薬」と「蕁麻疹の薬」等は影響し合わないとの誤った認識がなされることも考えられる、と注意を促しています。
また、飲み薬と点鼻薬の組み合わせによっても、同じ成分や似た作用の成分が重複することがあります。同手引きは、内服薬と外用薬でも同じ成分または同種の作用を有する成分が重複することがあり、相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて併用されることのないよう注意が必要である、としています。
飲み合わせの問題は、成分の重複だけではありません。胃薬や処方薬などが影響する場合もあります。お薬手帳に加えて、使っている市販薬・漢方薬・サプリメントの名前や外箱も見せてください。また、服用の前後に飲酒しないよう定めている製品もあります。添付文書の飲酒に関する注意も確認してください。
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▶ 点鼻薬については花粉症の点鼻薬はどう選ぶ?タイプ別の違いと、使いすぎたときに起こること
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飲み薬はいつから、いつまで使う?
飲み始める時期
花粉症では、症状が軽いうちから治療を始める方法があります。環境省の花粉症環境保健マニュアル2022は、医療機関での治療について次のように記載しています。
最近は初期療法といって、花粉の飛散開始前または症状の極軽い時から薬物を予防的に服用することで、症状の発現を遅らせたり、症状を軽くしたりする方法が用いられることが多くなっています。
ただし、市販薬を飲み始める時期は製品によって異なります。毎年症状が出る方は、花粉が本格的に飛び始める前に医師・薬剤師へ相談し、使用する製品の添付文書に従って開始時期を決めてください。
使い続ける期間
使用期間と、改善しない場合に相談するまでの日数は、製品によって異なります。花粉の飛散期間中の継続使用が案内されている製品もありますが、症状が改善していても、一定期間を超えて服用する前に相談が必要な場合があります。大人用と子ども用でも案内は違います。
手元の製品の添付文書を確認し、改善しないまま自己判断で使い続けないでください。
症状が悪化した場合は早めに医療機関へご相談ください。副作用が疑われる症状が出た場合は、添付文書の中止・相談の指示に従ってください。重い症状があるときは、記載された日数を待たずに受診してください。
なお、厚生労働省の手引きは、市販のアレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む)を「一時的な症状の緩和に用いられるもの」と位置づけ、長期の連用は避けるとしています。これは製品ごとの用法・用量に代わるものではありませんが、「改善しないまま漫然と使い続けない」という考え方は共通しています。
市販薬ではなく受診を考えたほうがいいのは?
すぐに受診・救急対応が必要なとき
服用後に息苦しさ、ぐったりする、意識がもうろうとするといった症状が出たときは、服用を中止し、**ただちに119番で救急車を呼んでください。**これらの症状があるときは、ほかの症状がそろうのを待たないでください。厚生労働省も、おとなが迷わず119番に電話する症状として「急な息切れ、呼吸困難」や意識の障害を挙げています。
のどや顔の腫れ、じんましんの急な広がりが出たときも、服用を中止し、ただちに医療機関を受診してください。
日本アレルギー学会のアレルギーポータルは、皮膚が赤くなる・息苦しくなる・激しい嘔吐をするなど、複数の症状が同時に急激に進行するとしています。特に注意すべき症状は、血圧が低下してぐったりしたり、意識がもうろうとしたりする状態で、直ちに医療機関で適切に対応しないと命に関わる重篤な状況になる可能性があるとしています。
早めに医療機関へ相談したほうがよいとき
- 熱が高いとき — 厚生労働省の手引きは、鼻炎症状は「かぜの随伴症状として現れることも多いが、高熱を伴っている場合には、かぜ以外のウイルス感染症やその他の重大な病気である可能性があり、医療機関を受診するなどの対応が必要である」としています
- 症状が悪化したとき、副作用が疑われるとき — 添付文書に書かれた日数を待たずにご相談ください
- 使用している製品の添付文書に示された期間を使っても、症状の改善がみられないとき
- 症状が重いとき — 環境省のマニュアルは、市販薬も使われるとしたうえで「花粉症の症状が重い場合には耳鼻咽喉科や眼科での受診をお勧めします」としています。他に内科や小児科、アレルギー科でも診療を受けられるとされています
- 原因をはっきりさせたいとき — 厚生労働省の手引きは、アレルゲンを厳密に特定するには医療機関における検査を必要とするとしています
毎年症状がつらい方は、医療機関で治療の見直しを相談してください。環境省のマニュアルは、近年は舌下免疫療法が実用化されていることにも触れています。治療の適否や開始時期は医師が判断しますので、つらいまま受診を先延ばしにせず、一度相談してみてください。
また同マニュアルは「現在は薬物だけでは花粉症の症状を完全におさえることは難しく、自らが原因である花粉のばく露から身を守るセルフケアと薬物を用いるメディカルケアを同時に行うことが必要になります」としています。薬だけに頼らず、マスクや帰宅時の対策と組み合わせることが前提になります。えることは難しく、自らが原因である花粉のばく露から身を守るセルフケアと薬物を用いるメディカルケアを同時に行うことが必要になります」としています。薬だけに頼らず、マスクや帰宅時の対策と組み合わせることが前提になります。
鼻炎の漢方薬はどう位置づければいい?
市販の鼻炎薬には、漢方処方製剤もあります。
厚生労働省の手引きは、鼻の症状を主とする人に適すとされるものとして、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、荊芥連翹湯、辛夷清肺湯等を挙げています。そのうえで、漢方処方製剤では使用する人の体質と症状にあわせて漢方処方が選択されることが重要であるとしています。それぞれ適するとされる体質や症状が異なりますので、「花粉症の漢方薬」とひとまとめにはできません。
注意点もあります。同手引きによれば、
- カンゾウ:辛夷清肺湯を除き、いずれも構成生薬として含む
- マオウ:葛根湯加川芎辛夷に含まれる。また同手引きは、かぜ薬の章で葛根湯と小青竜湯にもマオウが含まれると記載している
- 小青竜湯:まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症を生じることが知られている
- 荊芥連翹湯:まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎が現れることが知られている
- 辛夷清肺湯:まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症が現れることが知られている
- これらの漢方処方製剤は、比較的長期間(1か月以上)服用されることがある
息苦しさ、空せき、皮膚や白目が黄色くなる、強い脱力、繰り返す腹痛といった異変があれば、服用を中止して医療機関にご相談ください。
「漢方だから体にやさしい」と考えず、ほかの薬と同じように、体質・症状に合うか、どのくらいの期間使うのかを添付文書で確認し、薬剤師・登録販売者にご相談ください。ほかの漢方薬やかぜ薬を使っている方は、カンゾウ・マオウの重複についても確認が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 「眠くなりにくい」と書かれた市販薬なら、運転しても大丈夫ですか?
A. 眠気が出ているときは運転しないでください。また、添付文書に「服用後は乗物または機械類の運転操作をしないでください」と記載がある薬は、眠気を感じていなくてもその指示に従ってください。運転に関する記載は製品によって異なり、記載がないことは安全に運転できることの保証ではありません。運転の予定がある方は、購入前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。
Q. 市販薬と処方薬はどう違うのですか?
A. 市販薬は、承認された効能・効果や用法・用量、注意事項の範囲で、薬剤師などに相談しながら選んで使う薬です。厚生労働省の手引きは、市販のアレルギー用薬について「一時的な症状の緩和に用いられるもの」と位置づけています。医療機関では診察に基づいて症状や持病に応じた治療が選ばれ、環境省のマニュアルによれば抗ロイコトリエン薬などが用いられる場合もあります。なお、ステロイドを配合した点鼻薬には市販薬もあります。
Q. 市販薬はどのくらい続けて飲んでいいですか?
A. 製品によって異なります。使用できる期間や、改善しない場合に相談するまでの日数は、必ず手元の製品の添付文書・外箱でご確認ください。花粉の飛散期間中の継続使用が案内されている製品もありますが、症状が改善していても一定期間を超えるときは相談が必要な場合があります。症状が悪化した場合や副作用が疑われる場合は、記載された日数を待たずに使用を中止してご相談ください。
Q. 高血圧の薬を飲んでいますが、鼻づまりの市販薬を使えますか?
A. 鼻づまり用に配合されるプソイドエフェドリン塩酸塩について、厚生労働省の手引きは、心臓病、高血圧、糖尿病または甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難の症状がある人では症状を悪化させるおそれがあり、使用を避ける必要があるとしています。この成分を含まない選択肢もありますので、お薬手帳を持って薬剤師にご相談ください。
Q. 子どもに大人用の市販薬を使ってもいいですか?
A. お子さんには、その年齢の用法・用量が添付文書に記載されている製品を、決められた量で使ってください。小児の用量が設定されていない大人用の薬を、自己判断で量を減らして飲ませないでください。どれを選べばよいか迷う場合は、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。
Q. かぜ薬と花粉症の薬を一緒に飲んでもいいですか?
A. かぜ薬にも抗ヒスタミン成分やアドレナリン作動成分が配合されていることがあり、厚生労働省の手引きは、同じ成分や同種の作用を有する成分が重複すると効き目が強すぎたり副作用が起こりやすくなるおそれがあるとしています。自己判断で併用せず、薬剤師・登録販売者に確認してください。服用の前後に飲酒しないよう定めている製品もありますので、添付文書の飲酒に関する注意もご確認ください。
Q. 飲み薬と点鼻薬は一緒に使えますか?
A. 組み合わせによっては、同じ成分や似た作用の成分が重複することがあります。厚生労働省の手引きも、内服薬と外用薬でも成分が重複することがあると注意を促しています。一律に併用できないというわけではありませんので、使っているものを見せながら薬剤師にご相談ください。
Q. 春に余った花粉症の薬を、秋に使ってもいいですか?
A. 使用期限と保管状態に加えて、開封後の使用に関する指示も確認してください。春に使えた薬でも、いまの症状や持病、併用している薬、妊娠・授乳の状況によって適否が変わることがあります。処方薬の残りを自己判断で使ったり、家族と共有したりしないでください。迷う場合は現物を持って薬局でご相談ください。保管については薬の正しい保管方法とは?温度・湿度・光から守る3つの原則で解説しています。
まとめ
- 花粉症の飲み薬には、抗ヒスタミン成分を含む薬(単一成分の製品と、鼻づまり用の成分などを組み合わせた製品)や漢方薬があります。どちらの場合も、ほかの薬との成分の重複に注意が必要です
- 眠気は起こりうる副作用のひとつです。添付文書に運転を避けるよう記載がある薬は、眠気を感じなくても運転しないでください。記載がないことは、安全に運転できることの保証ではありません
- 排尿困難の症状がある人・緑内障の診断を受けた人は、使用前に医師・薬剤師への相談が必要とされています。注意事項の書かれ方は製品ごとに異なります
- 鼻づまり用のプソイドエフェドリン塩酸塩は、心臓病・高血圧・糖尿病・甲状腺機能障害の診断を受けた人、前立腺肥大による排尿困難がある人は使用を避ける必要があるとされています
- 使用期間と、相談するまでの日数は製品ごとに異なります。手元の添付文書に従い、改善しないまま自己判断で使い続けないでください。服用後に息苦しさや意識の異常が出た場合は、服用を中止し、ただちに119番で救急車を
薬を選ぶ際は、持病・服用中の薬・運転の予定を薬剤師や登録販売者にお伝えください。お薬手帳があれば、成分の重複や飲み合わせの確認がしやすくなります。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合や判断に迷う場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。医薬品を使用する際は、使用する製品の最新の添付文書をよく読み、用法・用量、使用上の注意に従ってください。効果の現れ方には個人差があります。
※本記事で体調の変化について触れている箇所は、この記事で扱う市販の飲み薬を使用している場合を想定しています。医師から処方されている薬については、自己判断で中止せず、処方元にご相談ください。
参考文献・出典
※本記事は2026年9月12日に確認した情報に基づいています。添付文書は改訂されることがあるため、購入・使用時に最新の内容をご確認ください。
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第3章(成分の概要・相互作用・受診勧奨/冊子61〜62・142〜150ページ) https://www.mhlw.go.jp/content/001692425.pdf(掲載ページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html)
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022(令和4年3月改訂)」(治療・初期療法・保健指導/冊子41〜42・50ページ) https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)「くすりの相談Q&A Q2 服用(使用)中は車の運転をしてはいけないくすりがあるそうです。何故ですか?」(運転に関する一般的な注意) https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-drugs/qa/0015.html
- 一般社団法人日本アレルギー学会「アレルギーポータル アナフィラキシー」(緊急時の対応) https://allergyportal.jp/knowledge/anaphylaxis/
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」(上手な医療のかかり方.jp) https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html
執筆・監修
くすりやきゅー(薬剤師/病院・保険薬局で10年以上勤務)
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