授乳中の薬の悩み・注意点|飲める薬・相談先まとめ

コラム

はじめに

赤ちゃんに授乳しているとき、自分が薬を飲んでいいのか迷った経験はありませんか?「風邪をひいた」「頭痛がひどい」「持病の薬を続けてもいいの?」—授乳中のお母さんが薬について不安を感じるのは、とても自然なことです。

この記事では、授乳中の薬との付き合い方について、基本的な考え方や注意点をわかりやすく解説します。


薬は母乳に移行する?

薬を飲むと、成分の一部は血液を通じて母乳に移行します。ただし、すべての薬が赤ちゃんに影響を与えるわけではありません

母乳に移行する量や赤ちゃんへの影響は、次のような要因によって異なります。

  • 薬の種類・成分
  • 薬の分子量の大きさや脂溶性
  • 赤ちゃんの月齢や健康状態

母乳に移行する薬の量は、一般的に母親の服用量のごく一部(数%以下)であることが多く、影響がほとんどない薬も存在します。


専門家への相談先

授乳中の薬について詳しく相談したい場合は、国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」が頼りになります。

かかりつけの薬剤師や産科・小児科の医師に相談することも、身近で頼りになる選択肢です。


よくある疑問と基本の考え方

Q. 市販の風邪薬・解熱鎮痛剤は飲んでもいい?

解熱鎮痛剤のアセトアミノフェン(商品名カロナール等)は、授乳中でも比較的安全に使用できると考えられており、国立成育医療研究センターの薬剤リストでも「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」に含まれています。

また、イブプロフェン(代表的な商品名:ブルフェン)も国立成育医療研究センターの薬剤リストで「授乳中に安全に使用できると考えられる薬」に含まれています。

市販の総合感冒薬には複数の成分が含まれており、個々の成分の評価が必要になるため、購入前に薬剤師に相談しましょう。

Q. 抗生物質を処方されたけど大丈夫?

抗生物質にもさまざまな種類があり、母乳中に移行しやすいものとそうでないものがあります。医師や薬剤師に授乳中であることを必ず伝えてください。

Q. 持病の薬(血圧・精神科など)はどうすればいい?

持病の治療を自己判断でやめることは危険です。主治医に「授乳を続けながら治療を続けたい」と相談してみてください。薬の種類を変更したり、授乳タイミングを調整したりすることで、継続できるケースも多くあります。


授乳中に注意が必要な薬の例

以下は一般的に注意が必要とされる成分の例です。医師・薬剤師への相談が推奨されるものです。

種類注意が必要な理由
一部の抗不整脈薬(アミオダロン)ヨウ素が含まれ甲状腺へ影響する場合あり
放射性ヨード(甲状腺治療)授乳の一時中止が必要な場合あり
一部の抗がん剤授乳禁止となるものが多い

授乳中の喫煙・飲酒について

喫煙

タバコに含まれるニコチンは母乳に移行します。授乳中の喫煙は、赤ちゃんの睡眠障害や呼吸器への悪影響と関連することが指摘されており、授乳中はできる限り禁煙することが推奨されています。

受動喫煙による悪影響を少なくするために赤ちゃんの前での喫煙は避けましょう。禁煙外来への相談も選択肢のひとつです。

関連記事→禁煙外来・禁煙補助薬とは?注意点とアプリ活用までわかりやすく解説


飲酒

アルコールも母乳に移行します。飲酒後、母乳中のアルコール濃度は血中濃度とほぼ同じ推移をたどり、代謝されるまでに時間がかかります。

赤ちゃんへの影響(睡眠の乱れなど)を避けるため、授乳中は大量の飲酒を控えることが基本です。どうしても飲む機会がある場合は、飲酒後2〜3時間以上あけてから授乳するなど、医師や薬剤師に相談しながら対応を検討しましょう。


自己判断は禁物——「飲まない」も正解とは限らない

「授乳中だから薬は一切飲まない」という選択が、必ずしも赤ちゃんのためになるとは限りません。

例えば、母親が高熱や強い痛みで体調が悪化すると、母乳の量が減ったり、育児に支障が出たりすることもあります。薬を使って母親が健康でいることが、赤ちゃんにとっても大切です。

必要な薬を我慢せず、専門家に相談しながら賢く対処しましょう。


まとめ

  • 授乳中の薬は「全部ダメ」ではなく、種類によって判断が異なる
  • アセトアミノフェンなど比較的安全とされる薬もある
  • 医師・薬剤師に授乳中であることを必ず伝えることが大前提
  • 国立成育医療研究センターに電話・オンラインで専門相談ができる
  • 「薬を飲まない」より「正しく使う」ことが母子ともに大切な場合もある

授乳期は大変な時期ですが、薬との正しい付き合い方を知っておくことで、不安を減らすことができます。一人で悩まず、ぜひ専門家を頼ってください。


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