花粉症の目のかゆみに使う市販の目薬は、「アレルギー用点眼薬」と呼ばれる種類です。抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されていて、花粉などによる目のかゆみ・涙目・充血を和らげることを目的としています。
春先になると、目がかゆくてこすってしまう、涙が止まらない、という方も多いのではないでしょうか。ドラッグストアの目薬の棚には、疲れ目用、充血用、コンタクト用など、たくさんの種類が並んでいて、どれが花粉症向けなのか迷いやすいところです。
この記事では、花粉症で目がかゆくなる仕組み、市販の目薬の種類と配合成分の違い、コンタクトレンズを使っている方の注意、正しいさし方、目薬で様子を見ずに受診したほうがよいケースを、厚生労働省と環境省の資料をもとに解説します。
飲み薬・点鼻薬・目薬のどれを選ぶか迷っている方は、先に花粉症の市販薬はどう選ぶ?飲み薬・点鼻薬・目薬の違いと受診の目安をご覧ください。この記事では、目薬の中での選び方と使い方を詳しく扱います。
花粉症で目がかゆくなるのはなぜ?
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」は、花粉症で最も多く見られる症状として、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎と、目のかゆみ・流涙(涙目)などのアレルギー性結膜炎を挙げています。
同マニュアルによれば、アレルギーの素因を持っている人の体に花粉が入ると、その花粉に対応する「IgE抗体」が作られます。花粉を浴び続けて抗体が十分な量になると、花粉が体に入ってきたときに、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの症状が出るようになります。
目のかゆみには、ヒスタミンという体内の物質が関わっています。厚生労働省の「登録販売者試験問題の作成に関する手引き」(以下、手引き)は、アレルギーによる目のかゆみの発生にはヒスタミンが関与しているとしています。また、結膜に炎症が起きると、眼粘膜が刺激に対して敏感になり、肥満細胞からヒスタミンが放出されて、かゆみが出やすくなるとされています。
風邪との違いは?
花粉症の季節は、風邪が流行する時期と重なります。環境省のマニュアルは、くしゃみや鼻水は風邪の初期症状に似ているとしたうえで、「花粉症では眼のかゆみを伴うことが多く、風邪と違って熱が高くなることはありません」としています。
熱が高いときは、花粉症以外の病気の可能性も考えて、医療機関にご相談ください。
市販の目薬にはどんな種類がある?
手引きは、市販の点眼薬を、主な配合成分によって次の4つに大別しています。
| 種類 | 手引きの説明 | 主に用いられる症状 |
|---|---|---|
| 人工涙液 | 涙液成分を補うことを目的とするもの | 目の疲れや乾き、コンタクトレンズ装着時の不快感など |
| 一般点眼薬 | 目の疲れやかゆみ、結膜充血などの症状を抑える成分が配合されているもの | 目の疲れ、かゆみ、充血など |
| アレルギー用点眼薬 | 抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が配合されているもの | 花粉、ハウスダストなどによる目のアレルギー症状(流涙、目のかゆみ、結膜充血など) |
| 抗菌性点眼薬 | 抗菌成分が配合されているもの | 細菌感染による結膜炎、ものもらい、まぶたのただれなど |
※厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」の記載をもとに作成。実際に対象とする症状は、製品の外箱の「効能・効果」でご確認ください
日本眼科学会は、ウイルス性結膜炎のうち人にうつりやすいものを「はやり目」と呼ぶと説明しています。手引きは、抗菌性点眼薬に用いられるサルファ剤について、ウイルスや真菌の感染に対する効果はないとしています。目の充血や目やにが、はやり目などの感染によるものかもしれないときは、原因を自己判断せず、眼科にご相談ください。
花粉症の目の症状を対象としているのは、アレルギー用点眼薬です。目薬を選ぶときは、外箱や添付文書の「効能・効果」に、花粉などによる目のアレルギー症状が含まれているかを確認してください。
迷ったときは、店頭で薬剤師・登録販売者に「花粉症の目のかゆみに使いたい」と伝えて相談してください。
アレルギー用の目薬には、どんな成分が入っている?
手引きが挙げている、目薬の主な配合成分と働きを整理します。ひとつの製品にどの成分が入っているかは、外箱の「成分・分量」欄で確認できます。
かゆみを抑える「抗ヒスタミン成分」
手引きによれば、ヒスタミンの働きを抑えることで目のかゆみを和らげることを目的として、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩などの抗ヒスタミン成分が配合されている場合があります。
注意点として手引きは、鼻炎用点鼻薬と併用した場合には眠気が現れることがあるため、乗物または機械類の運転操作を避ける必要があるとしています。この組み合わせで使うときは、眠気を感じていなくても運転しないでください(詳しくは後述します)。
アレルギー反応を抑える「抗アレルギー成分」
手引きは、抗アレルギー成分としてクロモグリク酸ナトリウムを挙げています。肥満細胞からのヒスタミンの放出を抑える作用を示し、花粉やハウスダストなどによる目のアレルギー症状(結膜充血、かゆみ、かすみ、流涙、異物感)の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合されるとされています。
同手引きは、この成分について次の注意を挙げています。
- アレルギー性でない結膜炎などには無効である
- アレルギーによる症状か、ほかの原因による症状かはっきりしない人(特に、片方の目だけに症状がある場合、目の症状だけで鼻には症状がない場合、視力の低下を伴う場合)は、使用前に専門家に相談するなど慎重な考慮がなされるべきである
- 2日間使用して症状の改善がみられない場合にも、アレルギー以外の原因による可能性が考えられる
- 点眼薬の配合成分として使われた場合でも、まれに重篤な副作用としてアナフィラキシーを生じることがある
充血を取る「アドレナリン作動成分」
結膜を通っている血管を収縮させて目の充血を取ることを目的に、ナファゾリン塩酸塩、ナファゾリン硝酸塩、エフェドリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩などのアドレナリン作動成分が配合されている場合があります。
手引きは、この成分について次の注意を挙げています。
- 連用または頻回に使用すると、異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招いたりすることがある
- 長引く目の充血は、目以外の異変を含む重大な病気による可能性も考えられるため、5〜6日間使用して症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を続けず、眼科の受診を含めて専門家に相談するべきである
- 緑内障と診断された人では、眼圧の上昇をまねき、緑内障を悪化させたり治療を妨げたりするおそれがあるため、使用前に治療を行っている医師または薬剤師に相談するべきである
そのほかの配合成分
手引きは、目薬全般に配合されることがある成分として、ほかに次のようなものを挙げています。花粉症用の目薬に限った成分ではありません。配合されているかどうかは、外箱の「成分・分量」欄でご確認ください。
| 分類 | 主な成分 | 手引きが示す配合目的 |
|---|---|---|
| 抗炎症成分 | グリチルリチン酸二カリウム、ベルベリン硫酸塩、イプシロン-アミノカプロン酸、プラノプロフェン | 抗炎症作用(目の炎症の改善)を期待して |
| 組織修復成分 | アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)、アラントイン | 炎症を生じた眼粘膜の組織修復を促す作用を期待して |
| 目の乾きを改善する成分 | コンドロイチン硫酸ナトリウム、精製ヒアルロン酸ナトリウムなど | 角膜の乾燥を防ぐことを目的として |
| 無機塩類 | 塩化カリウム、塩化ナトリウムなど | 涙液の主成分が電解質であることから配合される |
※厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」の記載をもとに作成。ビタミン類・アミノ酸なども配合されることがあります
自分に合う目薬はどう選べばいい?
成分の違いを踏まえて、選ぶときに確認したいことを順に挙げます。どれかに当てはまる方は、購入前に薬剤師・登録販売者に伝えてください。
症状の出方に、相談すべき点はないか
目薬を選ぶ前に、症状の出方を確認してください。前述のとおり手引きは、片方の目だけに症状がある、目の症状だけで鼻には症状がない、視力の低下を伴うといった場合は、アレルギー以外の原因も考えられるため、使用前に専門家へ相談するべきだとしています。
両目や鼻に症状があっても、それだけで花粉症と判断できるわけではありません。「花粉の季節だから花粉症だろう」と決めつけず、いつもと違う症状があるときは相談してください。
コンタクトレンズを使っているか
コンタクトレンズを使っている方は、レンズをつけたまま使える製品かどうかを、購入前に必ず確認してください。手引きは、添付文書に使用可能と記載されていない限り、レンズをしたままの点眼は行うべきでないとしています(詳しくは次の章で解説します)。
緑内障など、目の病気で治療中か
手引きは、医師から処方された目薬を使っている場合に市販の目薬を併用すると、治療中の病気に悪影響を生じることがあるとしています。また、目のかすみや充血が、治療中の病気や処方薬の副作用によるものである可能性も考えられるとしています。
目の病気で治療中の方、処方された目薬を使っている方は、市販の目薬を使う前に、治療を行っている医師または薬を調剤した薬剤師にご相談ください。緑内障と診断されている方は、充血を取る成分(アドレナリン作動成分)にも注意が必要です。
飲み薬や点鼻薬も使っているか
目薬と一緒に飲み薬や点鼻薬を使うときは、次の点に注意してください。手引きは、目薬の抗ヒスタミン成分について、鼻炎用点鼻薬と併用すると眠気が現れることがあるため、運転操作を避ける必要があるとしています。
また手引きは、アレルギー用の飲み薬と鼻炎用点鼻薬のように、飲み薬と外用薬のあいだでも同じ成分や同種の作用を持つ成分が重複することがあるとしています。目薬・点鼻薬・飲み薬を組み合わせるときは、使っているものを全部持って薬剤師にご相談ください。
▶ 飲み薬の成分と眠気・運転の注意は花粉症の市販薬(飲み薬)はどう選ぶ?成分の種類と、眠気・運転の注意点
▶ 点鼻薬の種類と使いすぎの注意は花粉症の点鼻薬はどう選ぶ?タイプ別の違いと、使いすぎたときに起こること
子ども・妊娠中・授乳中の方は
お子さんには、その年齢の用法・用量が添付文書に記載されている製品を、決められた量で使ってください。
妊娠中・授乳中の方について、環境省のマニュアルは、服薬について医療機関に相談するよう案内しています。持病のある方、高齢の方も、購入前にそのことを薬剤師・登録販売者にお伝えください。
コンタクトレンズを使っている人の注意点は?
手引きは、コンタクトレンズをしたままでの点眼について、ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズにかかわらず、添付文書に使用可能と記載されていない限り行うべきでないとしています。
特にソフトコンタクトレンズについては、次のように説明されています。
- ソフトコンタクトレンズは水分を含みやすく、防腐剤(ベンザルコニウム塩化物、パラオキシ安息香酸ナトリウムなど)などの配合成分がレンズに吸着されて、角膜に障害を引き起こす原因となるおそれがある
- そのため、装着したままの点眼は避けることとされている製品が多い
- ただし、1回使い切りタイプで防腐剤を含まない製品では、ソフトコンタクトレンズ装着時にも使用できるものがある
レンズをつけたまま使えるかどうかは、外箱や添付文書の記載で確認してください。記載がない製品は、レンズを外してから点眼します。レンズを再びつけるまでの時間も、製品の添付文書の指示に従ってください。
また、環境省のマニュアルは、花粉の飛散している季節にコンタクトレンズを使用すると、レンズによる刺激が花粉によるアレルギー性結膜炎の症状を悪化させる可能性があるため、メガネに替えたほうがよいと考えられているとしています。花粉の多い時期は、メガネへの切り替えもご検討ください。
目薬の正しいさし方は?
目薬は、さし方によって、薬液の汚染や副作用の起こりやすさが変わります。手引きが挙げている点眼方法を整理します。
- 容器の先端が、まぶたやまつげに触れないようにする — 点眼薬は通常、無菌的に製造されています。先端が触れると雑菌が薬液に混入し、汚染の原因になります
- 滴数は製品の用法・用量に従い、1滴ずつ正確に点眼する — 手引きによれば、目薬1滴の量は約50μLであるのに対して、まぶたの内側の空間(結膜嚢)の容積は30μL程度とされています。一度に何滴もさしても効果が増すわけではなく、むしろ薬液が鼻の中へ流れ込み、鼻の粘膜やのどから吸収されて、副作用を起こしやすくなるとされています
- 点眼後は、しばらくまぶたを閉じる — 薬液を結膜嚢(まぶたの内側の空間)に行き渡らせます
- 目頭を押さえる — 薬液が鼻の中へ流れ込むのを防ぐことができ、効果的とされています
手引きは別の章でも、点眼薬は目頭の鼻涙管(目と鼻をつなぐ管)を通って鼻の粘膜から吸収されることがあり、目以外の部位に届いて副作用を起こすことがあるため、場合によっては目頭を押さえる必要があるとしています。
症状がつらいからといって、決められた回数や滴数を超えて使わないでください。
開封後の目薬はいつまで使える?
手引きは、点眼薬の保管と取り扱いについて、次の注意を挙げています。
- 容器に書かれている使用期限は、未開封の状態でのものであり、開封してから長期間たった製品は使用を避けるべきである
- ほかの人が使っている目薬は、容器の先端がまつげに触れるなどして中身が汚染されている可能性があるため、共用は避ける
目薬は、家族のあいだでも貸し借りしないでください。
去年のシーズンに開封した目薬は、使用を避けてください。容器の使用期限が切れていなくても、それは未開封の場合の期限です。今シーズンに開封した目薬も、開封後の使用に関する添付文書の指示を確認し、わからないときは薬剤師にご相談ください。
目薬を使っても良くならないときは?
使用を続けてよい期間や、改善しない場合に相談するまでの日数は、手元の製品の添付文書に従ってください。改善がみられないまま、自己判断で使い続けないことが大切です。
手引きは一般的な考え方として、前述のとおり、抗アレルギー成分(クロモグリク酸ナトリウム)では2日間、充血を取る成分(アドレナリン作動成分)では5〜6日間を目安に挙げています。実際の日数は製品の記載が優先です。また、症状が悪化した場合や、副作用が疑われる場合は、これらの日数を待たずに使用を中止し、医師・薬剤師に相談してください。
目薬の副作用で、かえって症状が出ることもある
手引きによれば、目薬の副作用として、局所では目の充血やかゆみ、腫れが現れることがあります。これらは目薬が対象とする症状と区別することが難しい場合があり、一定期間使っても改善しない場合は、副作用の可能性も考えて、漫然と使い続けずに専門家に相談することが重要だとされています。
また、全身の副作用として、皮膚に発疹・発赤・かゆみなどが現れることがあります。手引きは、原因が目薬だと思い至らず、ほかのアレルギー用薬や皮膚の薬が使われることがあると指摘しています。目薬を使い始めてから皮膚に症状が出たときは、目薬を使っていることを伝えて相談してください。
目薬で様子を見ずに受診したほうがよいのは?
すぐに受診・救急対応が必要なとき
手引きは、点眼薬でもショック(アナフィラキシー)などのアレルギー性の副作用を生じることがあるとしています。
目薬を使った後に、息苦しさ、ぐったりする、意識がもうろうとするといった症状が出たときは、使用を中止し、ただちに119番で救急車を呼んでください。これらの症状があるときは、ほかの症状がそろうのを待たないでください。
厚生労働省も、おとなが迷わず119番に電話する症状として「急な息切れ、呼吸困難」や意識の障害を挙げています。
のどや顔の腫れ、じんましんの急な広がりが出たときも、使用を中止し、ただちに医療機関を受診してください。
日本アレルギー学会のアレルギーポータルは、皮膚が赤くなる・息苦しくなる・激しい嘔吐をするなど、複数の症状が同時に急激に進行するとしています。特に注意すべき症状は、血圧が低下してぐったりしたり、意識がもうろうとしたりする状態で、直ちに医療機関で適切に対応しないと命に関わる重篤な状況になる可能性があるとしています。
目に強い痛みや、見え方の異常があるとき
手引きは、目の痛みが激しい場合には、急性緑内障、角膜潰瘍、眼球への外傷などを生じている可能性があり、すみやかに眼科専門医による処置を受けないと、視力障害などの後遺症を生じるおそれがあるとしています。
また同手引きは、市販の点眼薬には緑内障の症状を改善できるものはなく、目のかすみが緑内障による症状だった場合には効果が期待できないだけでなく、配合成分によっては緑内障の悪化につながるおそれがあるとしています。目の症状は目そのものが原因であることが多い一方で、目以外の病気、特に脳が原因であることも多く知られているとされています。
目の強い痛みや、見え方の異常があるときは、目薬で様子を見ずに眼科を受診してください。
早めに医療機関へ相談したほうがよいとき
- 片方の目だけに症状がある、目の症状だけで鼻には症状がない、視力の低下を伴う — アレルギー以外の原因も考えられます
- 添付文書に示された期間を使っても、症状の改善がみられないとき
- 充血が長引くとき — 手引きは、長引く目の充血は目以外の異変を含む重大な病気による可能性も考えられるとしています
- 症状が重いとき — 環境省のマニュアルは、市販薬も使われるとしたうえで「花粉症の症状が重い場合には耳鼻咽喉科や眼科での受診をお勧めします」としています
毎年目の症状がつらい方は、シーズンが始まる前に医療機関にご相談ください。
目薬と一緒にできる対策は?
環境省のマニュアルは、「現在は薬物だけでは花粉症の症状を完全におさえることは難しく、自らが原因である花粉のばく露から身を守るセルフケアと薬物を用いるメディカルケアを同時に行うことが必要になります」としています。目の症状に関係するセルフケアとして、同マニュアルは次の点を挙げています。
- メガネ — メガネを使用しない場合に比べて、目に入る花粉の量は、通常の眼鏡でおよそ40%、防御カバーのついた花粉症用のメガネでおよそ65%減少するとされています
- コンタクトレンズからメガネへ — 前述のとおり、花粉の季節はメガネに替えたほうがよいと考えられているとしています
- 帰宅時の洗顔 — 外出から帰ったら洗顔をして花粉を落とすとよいとしています。ただし、丁寧に洗顔をしないと、目や鼻の周囲についた花粉が入り込み、かえって症状が悪化することがあるとしています。また、水道水で目や鼻を洗うと粘膜を傷めることがあるとしています
メガネの数字は、資料に掲載された条件下の実験結果であり、個々の商品の性能や、症状の改善率を示すものではありません。
このほかのセルフケア(マスク、衣服、換気、洗濯物など)は、花粉症の市販薬はどう選ぶ?飲み薬・点鼻薬・目薬の違いと受診の目安の「薬と一緒にできる対策は?」で紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 目薬は1回に何滴させばいいですか?
A. 製品の用法・用量に書かれた滴数を守ってください。厚生労働省の手引きによれば、目薬1滴の量は約50μLで、まぶたの内側の空間(結膜嚢)の容積は30μL程度とされています。一度に何滴もさしても効果が増すわけではなく、薬液が鼻に流れ込んで副作用を起こしやすくなるとされています。
Q. コンタクトレンズをしたまま目薬をさしてもいいですか?
A. 添付文書に「装着したまま使用できる」旨の記載がある製品でなければ、レンズを外してから点眼してください。厚生労働省の手引きは、ソフト・ハードにかかわらず、使用可能と記載されていない限りレンズをしたままの点眼は行うべきでないとしています。ソフトコンタクトレンズでは、防腐剤などの成分がレンズに吸着して角膜の障害の原因になるおそれがあるとされています。
Q. 目薬で眠くなることはありますか?運転しても大丈夫ですか?
A. 眠気やめまいを感じているときは、運転しないでください。厚生労働省の手引きは、目薬の抗ヒスタミン成分について、鼻炎用点鼻薬と併用した場合には眠気が現れることがあるため、乗物または機械類の運転操作を避ける必要があるとしています。この組み合わせで使うときは、眠気を感じていなくても運転しないでください。添付文書に運転に関する注意がある製品は、その指示に従ってください。注意が書かれていないことは、安全に運転できることの保証ではありません。運転の予定がある方は、購入前に薬剤師・登録販売者に「運転します」と伝えて相談してください。
Q. 去年開けた目薬は使えますか?
A. 去年開封した目薬の使用は避けてください。容器に書かれた使用期限は、未開封の状態でのものです。厚生労働省の手引きは、開封してから長期間たった製品は使用を避けるべきであるとしています。開封後の使用に関する添付文書の指示も確認し、わからないときは薬剤師にご相談ください。家族の目薬を借りて使うことも避けてください。
Q. 充血用の目薬を、花粉症の目のかゆみに使ってもいいですか?
A. 外箱の「効能・効果」に、花粉などによる目のアレルギー症状が含まれているかを確認してください。充血を取るアドレナリン作動成分について、厚生労働省の手引きは、連用または頻回に使用すると異常なまぶしさを感じたり、かえって充血を招いたりすることがあるとしています。緑内障と診断されている方は、使用前に医師・薬剤師にご相談ください。
Q. 病院でもらう目薬と、市販の目薬は何が違うのですか?
A. 医療機関では、診察に基づいて治療が選ばれます。環境省のマニュアルでは、花粉症によるアレルギー性結膜炎の治療に、抗ヒスタミン点眼薬やステロイド点眼薬が使われると説明されています。ステロイド点眼薬は眼圧上昇などの副作用があるため、使用中は定期的な眼科受診が必要だとされています。処方された目薬を使っている方は、市販の目薬を併用する前に、医師または薬剤師にご相談ください。
Q. 目がかゆいとき、目を洗ったほうがいいですか?
A. 環境省のマニュアルは、外出から帰ったら洗顔をして花粉を落とすとよいとしています。一方で、丁寧に洗わないと目や鼻の周りの花粉が入り込んでかえって症状が悪化することがあり、水道水で目や鼻を洗うと粘膜を傷めることがあるとしています。目を洗う製品(洗眼薬)を使う場合は、その製品の用法・用量に従ってください。
まとめ
- 花粉症の目の症状を対象とする市販の目薬は「アレルギー用点眼薬」です。外箱の「効能・効果」に、花粉などによる目のアレルギー症状が含まれているかを確認して選びます
- 主な成分は、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分と、ヒスタミンの放出を抑える抗アレルギー成分(クロモグリク酸ナトリウム)です。充血を取るアドレナリン作動成分は、使いすぎるとかえって充血を招くことがあります
- コンタクトレンズは、添付文書に使用可能と書かれていない限り外してから点眼します。花粉の季節はメガネへの切り替えも検討を
- 滴数は用法・用量どおりに。容器の先端をまぶたやまつげにつけず、点眼後はまぶたを閉じて目頭を押さえます。開封した目薬は長期間使わず、共用もしません
- 目薬を使った後の息苦しさや意識の異常は、ただちに119番で救急車を。目の強い痛みや見え方の異常は、目薬で様子を見ずに眼科へ。片目だけの症状や、目だけで鼻に症状がないときは、使う前に相談を
目薬を選ぶ際は、症状の出方、コンタクトレンズの使用、目の病気の治療歴、ほかに使っている薬、運転の予定を薬剤師や登録販売者にお伝えください。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合や判断に迷う場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。医薬品を使用する際は、使用する製品の最新の添付文書をよく読み、用法・用量、使用上の注意に従ってください。効果の現れ方には個人差があります。
参考文献・出典
※本記事は2026年10月13日に確認した情報に基づいています。添付文書は改訂されることがあるため、購入・使用時に最新の内容をご確認ください。
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第2章(点眼薬の鼻涙管からの吸収・アナフィラキシー/冊子42ページ)、第3章 Ⅶ(内服薬と外用薬の成分の重複/冊子146ページ)・Ⅸ(眼科用薬/冊子150〜155ページ) https://www.mhlw.go.jp/content/001692425.pdf(掲載ページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html)
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022(令和4年3月改訂)」(はじめに、花粉症を発症するまで/冊子3ページ、花粉のばく露を防ぐために/冊子22〜26ページ、花粉症の症状が出たら/冊子41ページ、保健指導/冊子50ページ) https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf
- 一般社団法人日本アレルギー学会「アレルギーポータル アナフィラキシー」(緊急時の対応) https://allergyportal.jp/knowledge/anaphylaxis/
- 公益財団法人日本眼科学会「ウイルス性結膜炎」 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=14
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」(上手な医療のかかり方.jp) https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html
執筆・監修
くすりやきゅー(薬剤師/病院・保険薬局で10年以上勤務)
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