花粉症の点鼻薬とは、鼻づまり・鼻みず・くしゃみなどを和らげる目的で鼻の中に使う外用液剤で、厚生労働省の資料では「鼻炎用点鼻薬」と呼ばれます。配合されている成分によって、働き方も、使用上の注意も異なります。
点鼻薬で特に知っておきたいのは、血管収縮成分を含む製品は、使いすぎるとかえって鼻づまりが悪化することがあるという点です。効き方の印象ではなく、有効成分と使用上の注意を確認することが大切です。
この記事では、市販の点鼻薬に配合されている成分を整理したうえで、使いすぎたときに何が起こるのか、使用期間はどう考えればよいのか、持病がある場合に何を確認すればよいのかを、厚生労働省と環境省の資料をもとに解説します。
花粉症の点鼻薬にはどんなタイプがある?
厚生労働省の「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」は、鼻炎用点鼻薬を次のように説明しています。
鼻炎用点鼻薬は、急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状のうち、鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重(頭が重い)の緩和を目的として、鼻腔内に適用される外用液剤である。
市販の点鼻薬には、鼻粘膜の血管を収縮させる成分を含むもの、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分を含むもの、ステロイド成分で炎症を抑えるものなどがあります。ひとつの製品に複数の種類の成分が配合されることもあります。
同手引きの記載をもとに、配合される成分を整理すると次のようになります。
| 成分のグループ | 何を目的に入っているか | 代表的な成分 |
|---|---|---|
| アドレナリン作動成分(血管収縮成分) | 交感神経系を刺激して血管を収縮させ、鼻粘膜の充血や腫れを和らげる | ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩 |
| 抗ヒスタミン成分 | ヒスタミンの働きを抑え、くしゃみや鼻汁等の症状を和らげる | クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩 |
| 抗アレルギー成分 | 肥満細胞からのヒスタミンの遊離を抑える | クロモグリク酸ナトリウム |
| ステロイド性抗炎症成分 | 鼻粘膜の炎症を和らげる | 製品によって異なります。外箱の「成分・分量」欄でご確認ください |
| 抗炎症成分 | 鼻粘膜の炎症を和らげる | グリチルリチン酸二カリウム |
| 局所麻酔成分 | 鼻粘膜の過敏性や痛み・痒みを抑える | リドカイン、リドカイン塩酸塩 |
| 殺菌消毒成分 | 鼻粘膜を清潔に保つ目的で配合されることがある | ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、セチルピリジニウム塩化物 |
※厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」の記載をもとに作成
自分が使っている点鼻薬にどの成分が入っているかは、外箱や添付文書の「成分・分量」欄で確認できます。わからないときは、その箱を持って薬剤師・登録販売者にお尋ねください。
なお、殺菌消毒成分が含まれていても、その点鼻薬が風邪などのウイルス感染を予防・治療する薬という意味ではありません。製品に表示された効能・効果の範囲で使用してください。
点鼻薬を使うほど鼻づまりがひどくなるのはなぜ?
血管収縮成分を含む点鼻薬を過度に使うと、鼻づまりがかえって悪化することがあります。
厚生労働省の手引きは、その仕組みを次のように記載しています。
アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。
血管を縮めて鼻を通す薬なのに、使いすぎると血管が反応しなくなり、逆に広がってしまうということです。点鼻薬の使いすぎが原因となる鼻炎は、薬剤性鼻炎と呼ばれます。
効きにくくなったからといって、自己判断で使用回数を増やさないでください。
同手引きの別表によれば、鼻炎用点鼻薬には成分によらず「長期連用しないこと」と記載することとされており、その理由として二次充血・鼻づまり等を生じるおそれがあることが挙げられています。
また同手引きは、点鼻薬は局所に適用されるものであるが、成分が鼻粘膜を通っている血管から吸収されて循環血液中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるとも記載しています。これはアドレナリン作動成分についての説明です。
改善しない場合は、いつ相談する?
点鼻薬の「期間」には、意味の違う3つの指示があります。混同しないようご注意ください。
- 改善しない場合に、中止して相談するまでの期間
- 改善していても、継続する前に相談が必要となる時点
- 使用そのものの上限(1年間に使用できる期間など)
いずれも製品によって異なります。添付文書の「用法・用量」「してはいけないこと」「相談すること」を、それぞれ確認してください。
症状が悪化した場合や、副作用が疑われる症状が出た場合は、指定された日数を待たずに、中止・相談の指示に従ってください。
なお、厚生労働省の手引きは一般的な考え方として、鼻炎用点鼻薬について長期連用は避けることとし、3日位使用しても症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続せずに医療機関(耳鼻科)を受診するなどの対応が必要である、としています。実際の日数は、手元の製品の記載が優先です。
クロモグリク酸ナトリウムを使うときの注意点は?
アレルギーによる症状を抑える目的で配合されるクロモグリク酸ナトリウムには、別の注意点があります。
厚生労働省の手引きによれば、
- 花粉、ハウスダスト(室内塵)等による鼻アレルギー症状の緩和を目的として、通常、抗ヒスタミン成分と組み合わせて配合される
- アレルギー性でない鼻炎や副鼻腔炎に対しては無効であり、アレルギーによる症状か他の原因による症状かはっきりしない人では、使用する前にその適否につき専門家に相談する等、慎重な考慮がなされるべきである
- まれに重篤な副作用としてアナフィラキシーを生じることがある。その他の副作用として鼻出血や頭痛が現れることがある
とされています。
さらに同手引きは、症状の改善がみられた場合であっても、2週間を超えて使用した場合の有効性・安全性に関する科学的データは限られているとしています。ただしこの記述の脚注では、連用に伴って他の配合成分(特にアドレナリン作動成分)による影響が生じることも考えられる、とされています。つまり、クロモグリク酸ナトリウム単独の長期使用について結論づけた記述ではありません。
市販の配合点鼻薬には、抗ヒスタミン成分や血管収縮成分が一緒に含まれる製品もあります使用期間の注意は、配合されている成分全体を踏まえて確認してください。改善しない場合や、改善していても添付文書で継続前の相談が求められている場合は、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。
なお、減感作療法などのアレルギーの治療を受けている方は、自己判断で追加せず、治療を担当する医師や薬剤師に確認してください。
ステロイドの点鼻薬は使い続けても大丈夫?
ステロイド点鼻薬は、主に鼻粘膜の炎症を抑える薬です。環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」も、医療機関での薬物療法として鼻には噴霧用の局所ステロイド薬が使われると記載しています。
市販のステロイド点鼻薬は、用法に従って継続して使用し、症状に応じて使用回数を調整する製品もあります。一方で、使用できる年齢、対象となる症状、1年間に使用できる期間などの制限が定められているものもあります。
厚生労働省の手引きは、鼻炎用点鼻薬についてステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には、長期連用を避ける必要があるとしています。副作用や、使用できない状態についての記載も製品ごとに異なります。定められた量・回数を超えず、改善しない場合や異常がある場合は、添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」の指示に従ってください。
長く治療が必要な場合は、市販薬を続けるのではなく、医療機関でご相談ください。
使う前に確認したい持病・体質は?
点鼻薬は鼻に使う薬ですが、持病によっては使用前の相談が必要になります。
厚生労働省の手引きの別表には、鼻炎用点鼻薬について次のように示されています。
| 状態 | 対象となる成分 | 理由 |
|---|---|---|
| 甲状腺機能障害・甲状腺機能亢進症 | アドレナリン作用成分が配合された鼻炎用点鼻薬 | 甲状腺機能亢進症の主症状は交感神経系の緊張等によってもたらされており、交感神経系を興奮させる成分は症状を悪化させるおそれがあるため |
| 高血圧 | アドレナリン作用成分が配合された鼻炎用点鼻薬 | 交感神経興奮作用により血圧を上昇させ、高血圧を悪化させるおそれがあるため |
| 心臓病 | アドレナリン作動成分が配合された鼻炎用点鼻薬 | 心臓に負担をかけ、心臓病を悪化させるおそれがあるため |
| 糖尿病 | アドレナリン作動成分が配合された鼻炎用点鼻薬 | 肝臓でグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる作用があり、糖尿病の症状を悪化させるおそれがあるため |
| 緑内障 | 抗コリン成分が配合された鼻炎用点鼻薬 | 抗コリン作用によって房水流出路が狭くなり、眼圧が上昇し、緑内障を悪化させるおそれがあるため |
※厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第5章の別表をもとに作成
このほか、ステロイド点鼻薬には、妊娠中の方や、感染症・鼻出血などの状態によって使用できない製品があります。
注意していただきたいのは、「相談すること」と「使用しないこと(してはいけないこと)」は意味が違うという点です。すべての点鼻薬で同じ持病が禁止されているわけではありませんが、逆に、製品が禁止している条件を「相談すれば使える」と読み替えることもできません。
妊娠中・授乳中の方、持病のある方、通院・治療中の方は、購入前にそのことをお伝えください。年齢やほかの薬の使用状況も含め、使用する製品の添付文書でご確認ください。
点鼻薬を使うときのコツは?
厚生労働省の手引きは、スプレー式鼻炎用点鼻薬の一般的な注意事項として、次の点を挙げています。
- 噴霧後に鼻汁とともに逆流する場合があるので、使用前に鼻をかんでおく(強くかむ必要はありません)
- 使用後には鼻に接した部分を清潔なティッシュペーパー等で拭き、必ずキャップを閉めた状態で保管し清潔に保つ
- 汚染を防ぐために、容器はなるべく直接鼻に触れないようにする
- 他人と点鼻薬を共有しない
初めて使うときの空押しや、容器を振る必要があるかどうかは製品によって異なりますので、製品の説明に従ってください。
家族で1本を使い回すことは避け、1人1本で使用してください。
飲み薬との併用はしていい?
併用できる組み合わせもありますが、製品や成分によって判断が異なります。
厚生労働省の手引きは、アドレナリン作動成分が鎮咳去痰薬に気管支拡張成分として配合されているほか、外用痔疾用薬や点眼薬にも配合されている場合があるとし、また抗ヒスタミン成分がかぜ薬の鼻汁止めや睡眠改善薬、乗物酔い防止薬の成分としても配合されているとしています。
そのうえで、これらの医薬品との併用がなされた場合、同種の作用を有する成分が重複し、効き目が強すぎたり、副作用が現れやすくなるおそれがあるとしています。
乗物酔い防止薬に配合されている成分については、酔い止め薬の選び方ガイド|旅行前に知っておきたい基礎知識で解説しています。旅行と花粉症の季節が重なるときは、あわせてご確認ください。
飲み薬・点鼻薬・点眼薬を組み合わせたいときは、使っているものを全部持って薬剤師にご相談ください。なお、ステロイド点鼻薬を複数重ねて使わないよう定めている製品もあります。
運転についての考え方
同手引きは、点眼薬に配合された抗ヒスタミン成分について、鼻炎用点鼻薬と併用した場合には眠気が現れることがあるため、乗物または機械類の運転操作を避ける必要があるとも記載しています。
▶ 目薬の成分と使い方の注意は花粉症の目薬はどう選ぶ?市販のアレルギー用点眼薬の成分と、さし方・コンタクトの注意で解説しています。
ただし、注意が必要なのは併用時だけではありません。点鼻薬でも、製品によっては使用後の運転操作を避けるよう添付文書に記載されているものがあります。併用していない場合も、使用する製品の記載をご確認ください。
運転については、次の順で考えてください。
- 添付文書に運転操作をしないよう記載されている薬は、眠気を感じていなくても運転しないでください。
- その記載がない薬でも、眠気やめまい、注意力の低下を感じるときは運転しないでください。
- 運転の予定がある方は、購入前に薬剤師・登録販売者にご相談ください。
運転を避けるよう明記されていないことは、安全に運転できることの保証ではありません。
▶ 飲み薬・点鼻薬・目薬の違いと、組み合わせるときの確認ポイントは花粉症の市販薬はどう選ぶ?飲み薬・点鼻薬・目薬の違いと受診の目安で整理しています。
▶ 飲み薬については花粉症の市販薬(飲み薬)はどう選ぶ?成分の種類と、眠気・運転の注意点
▶ 秋にも鼻の症状が出る方は秋の花粉症とは?ブタクサ・ヨモギ・カナムグラの時期と、風邪との見分け方もあわせてご覧ください。
点鼻薬で対応できないのはどんなとき?
すぐに受診・救急対応が必要なとき
使用後に息苦しさ、ぐったりする、意識がもうろうとするといった症状が出たときは、使用を中止し、**ただちに119番で救急車を呼んでください。**これらの症状があるときは、ほかの症状がそろうのを待たないでください。厚生労働省も、おとなが迷わず119番に電話する症状として「急な息切れ、呼吸困難」や意識の障害を挙げています。
のどや顔の腫れ、じんましんの急な広がりが出たときも、使用を中止し、ただちに医療機関を受診してください。
日本アレルギー学会のアレルギーポータルは、皮膚が赤くなる・息苦しくなる・激しい嘔吐をするなど、複数の症状が同時に急激に進行するとしています。特に注意すべき症状は、血圧が低下してぐったりしたり、意識がもうろうとしたりする状態で、直ちに医療機関で適切に対応しないと命に関わる重篤な状況になる可能性があるとしています。
市販の点鼻薬で対処し続けないほうがよいとき
市販の点鼻薬が対象とする症状は製品によって異なり、花粉による季節性アレルギー専用の製品もあります。
厚生労働省の手引きは、一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲について、急性またはアレルギー性の鼻炎およびそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていないとしています。そのうえで、次のような場合には医療機関での対応が必要だとしています。
- 鼻粘膜が腫れてポリープ(鼻茸)となっている場合 — 一般用医薬品により対処を図ることは適当でなく、医療機関における治療が必要となる
- 鼻炎が続いて副鼻腔炎や中耳炎などにつながることもある — 中耳炎が発生した場合などは医療機関の受診を勧める
- 高熱を伴う鼻炎症状 — かぜ以外のウイルス感染症やその他の重大な病気である可能性があり、受診が必要
鼻づまりが長引く場合や、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)、鼻のポリープが疑われる場合は、市販の点鼻薬だけで対処し続けず、耳鼻咽喉科で診断と治療を受けてください。
また環境省の花粉症環境保健マニュアル2022は、市販薬も使われるとしたうえで「花粉症の症状が重い場合には耳鼻咽喉科や眼科での受診をお勧めします」としています。薬も使われるとしたうえで「花粉症の症状が重い場合には耳鼻咽喉科や眼科での受診をお勧めします」としています。
よくある質問(FAQ)
Q. 使いすぎてしまったかもしれません。どうすればいいですか?
A. 血管収縮成分を含む点鼻薬の使いすぎによって、鼻づまりが悪化している可能性があります。効かないからと使用量や回数を増やしたり、定められた期間を超えて使い続けたりせず、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。原因となる点鼻薬の中止を含め、治療方法を医師にご相談ください。受診の際は、製品名・使用期間・1日の使用回数がわかるように、外箱や添付文書をお持ちください。
Q. 点鼻薬を使うほど鼻づまりがひどくなる気がします。なぜですか?
A. 厚生労働省の手引きは、アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬について「過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい」としています。使用できる回数・期間は製品ごとに定められていますので、手元の添付文書の記載に従い、自己判断で回数を増やさないでください。
Q. 点鼻薬と飲み薬は一緒に使っていいですか?
A. 併用できる組み合わせもありますが、製品や成分によって判断が異なります。厚生労働省の手引きは、内服薬と外用薬でも同じ成分または同種の作用を有する成分が重複することがあり、相互に影響し合わないとの誤った認識に基づいて併用されることのないよう注意が必要である、としています。使っているものを見せながら薬剤師にご相談ください。
Q. ステロイドの点鼻薬は体に吸収されて影響しませんか?
A. 厚生労働省の手引きは、鼻炎用点鼻薬にステロイド性抗炎症成分が配合されている場合には長期連用を避ける必要があるとしています。市販品には使用できる年齢や対象となる症状のほか、製品によっては1年間に使用できる期間が定められているものもありますので、まず外箱と添付文書の「してはいけないこと」「相談すること」をご確認ください。体への影響が心配な場合は、その製品の箱を持って薬剤師・登録販売者にご相談ください。
Q. 点鼻薬はいつ、どう使うのがいいですか?
A. 用法・用量は製品ごとに決められていますので、外箱と添付文書の記載に従ってください。厚生労働省の手引きは、使用前に鼻をかんでおくこと(強くかむ必要はありません)、使用後は鼻に接した部分を拭いてキャップを閉めて保管することを挙げています。初めて使うときの空押しや容器を振る必要があるかどうかは、製品の説明をご確認ください。
Q. 子どもに市販の点鼻薬を使ってもいいですか?
A. お子さんには、その年齢の用法・用量が添付文書に記載されている製品を、決められた量で使用してください。小児の用量が設定されていない製品を、自己判断で少量にして使わないでください。判断に迷う場合は、医師・薬剤師・登録販売者にご相談ください。
Q. 鼻炎が長引いています。蓄膿症でも市販の点鼻薬は使えますか?
A. 厚生労働省の手引きは、一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は急性またはアレルギー性の鼻炎およびそれに伴う副鼻腔炎であり、蓄膿症などの慢性のものは対象となっていないとしています。市販の点鼻薬が対象とする症状は製品によっても異なります。長引く場合は耳鼻咽喉科を受診してください。
Q. 家族と同じ点鼻薬を使ってもいいですか?
A. 厚生労働省の手引きは、汚染を防ぐために容器はなるべく直接鼻に触れないようにするほか、他人と点鼻薬を共有しないようにする必要があるとしています。1人1本で使用してください。
まとめ
- 市販の点鼻薬は、血管収縮成分・抗ヒスタミン成分・抗アレルギー成分・ステロイド成分など、配合されている成分によって注意点が異なります。ひとつの製品に複数の種類が入っていることもあります。まず外箱の「成分・分量」欄を確認してください
- 血管収縮成分を含む点鼻薬は、過度に使用すると二次充血を招き、鼻づまりがかえって悪化することがあります。効きにくくなっても自己判断で回数を増やさないでください
- 点鼻薬の「期間」には、改善しない場合に相談するまでの期間/改善していても継続前に相談が必要な時点/使用そのものの上限という意味の違う指示があり、いずれも製品ごとに異なります
- 持病によっては使用前の相談が必要です。血管収縮成分では甲状腺機能障害・高血圧・心臓病・糖尿病、抗コリン成分では緑内障が挙げられています
- 使用後に息苦しさや意識の異常が出た場合は、使用を中止してただちに119番で救急車を。鼻づまりが長引く場合や蓄膿症・鼻のポリープが疑われる場合は、市販薬だけで対処し続けず耳鼻咽喉科へ
点鼻薬は、添付文書に示された範囲で使用することが前提の薬です。継続使用や使用回数の調整についても、その製品の添付文書に従ってください。
あわせて読みたい
- 花粉症の市販薬はどう選ぶ?飲み薬・点鼻薬・目薬の違いと受診の目安
- 秋の花粉症とは?ブタクサ・ヨモギ・カナムグラの時期と、風邪との見分け方
- 花粉症の市販薬(飲み薬)はどう選ぶ?成分の種類と、眠気・運転の注意点
- 花粉症の目薬はどう選ぶ?市販のアレルギー用点眼薬の成分と、さし方・コンタクトの注意
- 市販薬には「ランク」がある―OTC医薬品の分類をわかりやすく解説
- 薬の正しい保管方法とは?温度・湿度・光から守る3つの原則
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合や判断に迷う場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。医薬品を使用する際は、使用する製品の最新の添付文書をよく読み、用法・用量、使用上の注意に従ってください。効果の現れ方には個人差があります。
※処方薬の通常の治療変更や中止は、処方元にご相談ください。ただし、薬の使用後に呼吸困難や意識の異常など、重い副作用が疑われる場合は、原因として疑われる薬の使用を中止し、直ちに救急対応を求めてください。
参考文献・出典
※本記事は2026年9月12日に確認した情報に基づいています。添付文書は改訂されることがあるため、購入・使用時に最新の内容をご確認ください。
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第3章 Ⅷ(鼻に用いる薬/冊子147〜150ページ)、同Ⅸ(眼科用薬/冊子154ページ)、第5章 別表(使用上の注意の記載項目/冊子404・409〜410ページ) https://www.mhlw.go.jp/content/001692425.pdf(掲載ページ:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000082537.html)
- 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022(令和4年3月改訂)」(治療/冊子41ページ) https://www.env.go.jp/content/900406385.pdf
- 一般社団法人日本アレルギー学会「アレルギーポータル アナフィラキシー」(緊急時の対応) https://allergyportal.jp/knowledge/anaphylaxis/
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」(上手な医療のかかり方.jp) https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html
執筆・監修
くすりやきゅー(薬剤師/病院・保険薬局で10年以上勤務)
詳しいプロフィールはこちら
