処方箋なしで買えるED治療薬(タダラフィル10mgを含む要指導医薬品)は、医師の処方箋がなくても、薬剤師による確認と説明を受けたうえで、薬局やドラッグストアなどで購入できる医薬品です。この記事では、処方箋なしで購入できるED治療薬のうち、タダラフィル10mgを含む要指導医薬品について説明します。
服用してはいけない人の条件が多いため、購入前には、薬剤師がチェックシートなどで服用できるかを確認し、必要な説明・指導を行います。
この記事では、どうやって買うのか、どんな人が使えないのか、飲んだあとに何に気をつけるのかを、厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公表している資料にもとづいて整理します。
なお、この記事で説明するのは日本で要指導医薬品として販売されている、タダラフィル10mgを含む製剤です。医療機関で処方される場合は、使える量や確認の手順が異なります。
(情報は2026年10月1日時点のものです。使用する際は、製品に添付された最新の説明書(添付文書)に従ってください。)
処方箋なしで買えるED治療薬とは?
この記事で扱う要指導医薬品は、医療用医薬品として使われてきたタダラフィルを、要指導医薬品に転用したものです。タダラフィルを含む要指導医薬品・一般用医薬品が承認されたのは、日本ではこれが初めてです(PMDA 審査報告書)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 有効成分 | タダラフィル(1錠中10mg) |
| 区分 | 要指導医薬品 |
| 効能・効果 | ぼっ起不全(満足な性行為を行うに十分なぼっ起とその維持が出来ない人) |
| 承認 | 2026年5月20日 |
| 販売開始 | 2026年7月31日 |
(出典:厚生労働省「要指導医薬品一覧」(2026年7月31日更新)、PMDA 審査報告書、添付文書)
ED(ぼっ起不全)とはどんな状態?
添付文書では、ぼっ起不全を「男性が満足のいく性行為を行うのに十分な硬さのぼっ起が得られない、又はぼっ起を維持できない状態」と説明しています。
どのように作用する薬?
添付文書によると、タダラフィルは陰茎の血管を弛緩させ、陰茎への血流量を増やします。
- 服用するだけではぼっ起は起こらず、性的刺激があったときだけ起こる
- 催いん剤や性欲増進剤ではない
- 性行為感染症を防ぐ効果はない
添付文書には、効果は服用後約30分からあらわれ、最大で服用後36時間続くと記載されています。これは、その間ずっとぼっ起が続くという意味ではありません。性的刺激があったときに作用し、効果のあらわれ方には個人差があります。服用するタイミングは、用法・用量に従い、性行為の約1時間前です。
どこで・どうやって買えますか?
薬剤師がチェックシートで確認します
要指導医薬品は、薬剤師が販売する医薬品です。タダラフィルの要指導医薬品では、購入前にチェックシートを使い、服用してはいけない人に当てはまらないかを確認することとされています(PMDA 審査報告書)。
審査報告書によると、製造販売業者は、教育研修を受けた薬剤師だけが販売する体制をとると説明しています。
チェックシートでは、ED症状、持病(合併症)、使っている薬などが確認されます。服用してはいけない人に当てはまる可能性がある場合は、使い始める前に受診を勧められます(PMDA 審査報告書)。
買えるのは使う本人だけ?
要指導医薬品は、使う本人以外には、正当な理由がない限り販売されません。購入時には、使う本人かどうか、ほかの薬局・店舗での購入状況などが確認されます。
販売できる数量は、適正な使用のために必要と認められる数量に限られ、厚生労働省の通知では、原則として一人一包装単位(一箱など)までとされています。
(出典:医薬品医療機器等法 第36条の5、厚生労働省医薬食品局長通知 平成26年3月10日付 薬食発0310第1号、同 平成26年3月18日付 薬食発0318第6号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)
ネットでも買えますか?
2026年5月1日から、要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)は、薬剤師によるビデオ通話などでの情報提供・指導を受けたうえで、インターネットなどでも販売できるようになりました。厚生労働省の「要指導医薬品一覧」では、タダラフィルの製剤は特定要指導医薬品には指定されていません。
ただし、法律上ネットで販売できる医薬品でも、実際にネットで買えるかは販売元の取り扱いによります。
(出典:厚生労働省「要指導医薬品一覧」(2026年7月31日更新)、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)
要指導医薬品のネット購入の流れは、「「薬のネット購入」がもっと便利に―2026年5月から要指導医薬品がオンラインで買えるようになりました」で詳しく解説しています。
服用してはいけないのはどんな人ですか?
添付文書の「してはいけないこと」には、次の人は服用しないよう記載されています。
- 本剤又は本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことがある人
- 狭心症などの心臓病によく使用されるニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジルなどの硝酸剤等を使用している人
- リオシグアト、ケトコナゾール(経口剤)、イトラコナゾール、クラリスロマイシンを使用している人
- 心血管系に障害があるなど、性行為が不適当と考えられる人
- 不安定狭心症の人、又は性行為中に狭心症を起こしたことがある人
- 薬を服用しても脈の乱れを抑えられていない人、低血圧の人(血圧<90/50mmHg)、又は血圧を下げる薬を服用しても血圧が高い人(安静時血圧>170/100mmHg)
- 3か月以内に心筋梗塞を起こしたことがある人
- 6か月以内に脳梗塞・脳出血を起こしたことがある人
- 医師から肝臓に関する異常を指摘された人
- 医師から腎臓に関する異常を指摘された人
- 網膜色素変性症の診断を受けた人
- 女性
添付文書には、性行為は心臓へのリスクを伴うこと、心臓・血管系障害の疑いのある人は必ず事前に医師に確認すること、心筋梗塞などを引き起こすおそれがあることも記載されています。
添付文書では、硝酸剤等や、リオシグアトなどの薬について「使用中のお薬をよくご確認ください」と注意しています。使っている薬の成分名は、お薬手帳や薬の説明書で確認してください。
また、用法・用量の対象は成人男性(18歳以上)のため、18歳未満の人は服用できません。
上記は添付文書の「してはいけないこと」を整理したもので、薬の商品名などの例示は省いています。購入前には、必ず製品の添付文書を確認し、使っている薬や持病を薬剤師に伝えてください。
服用前に相談が必要なのはどんな人ですか?
添付文書の「相談すること」には、次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談するよう記載されています。
- 医師の治療や投薬を受けている人
- 次の薬を服用している人
- 前立腺肥大症治療薬、又は血圧を下げる薬(α遮断剤(ドキサゾシンなど)、アムロジピンなど)
- 抗HIV薬(リトナビル、サキナビルなど)
- 抗菌薬(リファンピシンなど)
- 抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタールなど)
- 高齢者
- 薬などによりアレルギー症状を起こしたことがある人
- 次の診断を受けた人
- 持続ぼっ起症(4時間以上ぼっ起が続いたことがある)
- 血液の病気(鎌状赤血球性貧血、多発性骨髄腫、白血病など)
- 出血性疾患、消化性潰瘍
- 陰茎の変形(屈曲、陰茎の線維化、ペロニー病など)
- ほかのぼっ起不全の治療を行っている人
- 軽い運動や中程度の運動(例えば20分程度早足で歩く、階段を1階分早足で駆け上がるなど)で、ひどく息苦しくなったり、胸に痛みを感じたりする人
どのように飲めばよいですか?
添付文書の用法・用量は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 成人男性(18歳以上) |
| 1回量 | 1錠 |
| 飲むタイミング | 性行為の約1時間前に、水又はぬるま湯で服用 |
| 1日の上限 | 1日1錠を超えて服用しない |
| 服用間隔 | 24時間以上あける |
あわせて、添付文書には次の注意が記載されています。
- 用法・用量を厳守する
- 食前・食後にかかわらず服用できる
- 過度の飲酒時に服用することは控える
- グレープフルーツジュースなどはこの薬に影響するので控える
- 毎日連続して服用することは推奨できない。連日服用する場合は医師に相談する
- 服用後は、高所での作業、乗物又は機械類の運転操作に注意する(めまいや目のかすみなどの症状があらわれることがある)
めまいや目のかすみなどがあるときは、運転や高所での作業はしないでください。
服用後に気をつけることは?
すぐに医師の診療を受ける症状
添付文書には、次の場合はただちに医師の診療を受けるよう記載されています。
- ぼっ起が4時間以上続いたとき。6時間以上続いた場合、処置が遅れるとぼっ起機能が失われることがあるとされています
- 急に視力が低下したり、目が見えなくなったりしたとき。服用を中止し、ただちに眼科医の診療を受けてください
- まれに起こる重い症状(下表)があらわれたとき
| 症状の名称 | 症状 |
|---|---|
| 過敏症 | 発疹、じんましん、顔のむくみ |
| 剥脱性皮膚炎 | ほぼ全身の皮膚が発赤する、フケやかさぶたのようなものを付着し、それがはがれ落ちる、発熱をしばしば伴う |
| 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群) | 高熱、目の充血、目やに、唇のただれ、のどの痛み、皮膚の広範囲の発疹・発赤などが持続したり、急激に悪化する |
(出典:添付文書)
副作用が疑われるとき
添付文書には、服用後に次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、ただちに服用を中止し、説明書を持って医師又は薬剤師に相談するよう記載されています。
| 関係部位 | 症状 |
|---|---|
| 皮膚 | 発疹・発赤、かゆみ、多汗、爪周囲の炎症 |
| 消化器 | 吐き気・嘔吐、消化不良、胸やけ、下痢、口のかわき、胃炎、腹痛、胃不快感、便秘、腹部膨満、軟便、のみ込みづらい、すっぱいものが上がってくる |
| 精神神経系 | 頭痛、めまい、睡眠障害、ピリピリ感、眠気、不安、片頭痛、感覚がにぶくなる |
| 感覚器 | 目のかすみ、目の痛み、なみだ、眼の異常感、充血、目やに、耳なり、視覚障害、まぶたのはれ |
| 循環器 | 動悸、ほてり、胸痛、脈が速くなる、失神、高血圧、低血圧、冷汗、意識の低下、片側の手足が動かしにくくなる、しゃべりにくくなる |
| 呼吸器 | 呼吸困難、鼻づまり、鼻炎、咳に伴い血を吐く、鼻血、のどのはれ |
| 泌尿器 | 排尿困難、ぼっ起増強、異常なぼっ起やその持続 |
| その他 | 疲労、倦怠感、熱感、むくみ、粘膜のむくみ、疼痛、背中の痛み、筋肉痛、関節痛、首の痛み、尻の痛み、筋肉のひきつり、筋骨格硬直、体重増加 |
効果がないときや、受診を考える目安は?
添付文書には、4〜8回服用しても効果がみられない場合は、説明書を持って医師又は薬剤師に相談するよう記載されています。ぼっ起不全は心臓病、高血圧、糖尿病などの病気に関連している場合があるため、早めに相談するよう案内されています。
効果があった場合でも、受診の目安があります。審査報告書によると、使用者向けの情報提供資料では、使い始めてから6か月以内を目安に医療機関を受診するよう勧めています。PMDAは、効果があった場合でも、併存する病気の早期発見と治療の観点から、受診の時期を情報提供する必要があるとしています。
また、効果が十分でないからといって、1回に飲む量を増やしたり、24時間以内に追加で飲んだりしないでください。用法・用量は1日1錠まで、服用間隔は24時間以上です。
個人輸入やネット通販の海外製品は使ってもよい?
厚生労働省は、医薬品を海外から個人輸入することには、次のようなリスクがあると注意を呼びかけています。
- 日本の医薬品医療機器等法にもとづく品質・有効性・安全性の確認がされていない
- 正規のメーカー品を偽った偽造製品や、不衛生な場所や方法で製造された製品の可能性がある
- 副作用などが起きた場合に、対処方法が不明なことがある(医師や薬剤師などの専門家でも成分や作用について十分な情報がなく、迅速に対応することが難しい場合がある)
- 重大な健康被害が生じても、医薬品副作用被害救済制度の対象にならない
厚生労働省の注意喚起ページでは、ED治療薬の偽造品から、表示とは別のED治療薬の成分が検出された事例(奈良県の発表)も紹介されています。
個人輸入の医薬品を使おうと考えている場合は、自分ひとりで判断せずに、医師や薬剤師に相談してください。
(出典:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」「個人輸入やインターネット購入による健康被害」)
よくある質問(FAQ)
Q. 本当に処方箋なしで買えるのですか?
A. はい。タダラフィルを含む要指導医薬品は、処方箋がなくても購入できます。ただし、購入前に薬剤師がチェックシートなどで服用できるかを確認するため、確認の結果、購入できない場合や受診を勧められる場合があります。
Q. パートナーや家族が代わりに買えますか?
A. 要指導医薬品は、使う本人以外には、正当な理由がない限り販売されません。購入時には、使う本人かどうかが確認されます。
(出典:医薬品医療機器等法 第36条の5第2項、厚生労働省医薬食品局長通知 平成26年3月18日付 薬食発0318第6号)
Q. 毎日飲んでもよいですか?
A. 添付文書には、毎日連続して服用することは推奨できず、連日服用する場合は医師に相談するよう記載されています。服用するときも、1日1錠まで、服用間隔は24時間以上あけてください。
Q. お酒を飲んだあとに服用してもよいですか?
A. 添付文書には、過度の飲酒時に服用することは控えるよう記載されています。また、めまいや目のかすみなどがあらわれることがあるため、服用後の運転や高所での作業には注意が必要です。
Q. 病院で処方されるED治療薬とは何が違いますか?
A. 要指導医薬品は、タダラフィル10mgを1回1錠、1日1錠までです。医療用医薬品では、診察や検査のうえで、効果が十分でない場合の増量や、腎臓の働きに応じた用量の調整が行われることがあります。要指導医薬品では、医師から腎臓や肝臓に関する異常を指摘された人は服用できません。
(出典:PMDA 審査報告書、添付文書)
Q. セルフメディケーション税制の対象になりますか?
A. なりません。厚生労働省の「セルフメディケーション税制Q&A」では、スイッチOTC医薬品のうちED治療薬は対象外とされています。
Q. ぼっ起が長く続いて治まらないときはどうすればよいですか?
A. ぼっ起が4時間以上続いたら、ただちに医師の診療を受けてください。添付文書には、6時間以上続いた場合、処置が遅れるとぼっ起機能が失われることがあると記載されています。
まとめ
- 処方箋なしで買えるED治療薬は、タダラフィル10mgを含む要指導医薬品で、購入前に薬剤師がチェックシートなどで服用できるかを確認します
- 販売されるのは原則として使う本人だけです。ネット購入は法律上可能ですが、薬剤師によるビデオ通話などでの説明が必要で、実際に買えるかは販売元の取り扱いによります
- 硝酸剤等を使用している人や、医師から肝臓・腎臓に関する異常を指摘された人などは服用できません。心臓・血管の病気や血圧についても、服用できない条件があります。詳しくは本文の「服用してはいけないのはどんな人ですか?」を確認し、持病や使用中の薬を薬剤師に伝えてください
- 用法は1日1錠まで、服用間隔は24時間以上です。ぼっ起が4時間以上続いたとき、急に視力が低下したときは、ただちに受診してください
- 4〜8回服用しても効果がみられない場合は医師又は薬剤師に相談し、効果があった場合も6か月以内を目安に受診することが勧められています
あわせて読みたい
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合や判断に迷う場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
参考文献・出典
- 厚生労働省「要指導医薬品一覧」(2026年7月31日更新)
- PMDA「タダラフィルを有効成分とする要指導医薬品の審議結果報告書・審査報告書」(令和8年2月3日・令和7年9月2日)
- PMDA 一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書等情報検索「タダラフィルを有効成分とする要指導医薬品の添付文書」(2026年7月31日)
- 医薬品医療機器等法 第36条の5(要指導医薬品の販売)
- 厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」
- 厚生労働省医薬局長通知「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律等の施行等について(令和8年5月1日施行事項関係)」(令和7年12月26日 医薬発1226第2号)
- 厚生労働省医薬食品局長通知「薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成26年3月10日 薬食発0310第1号)
- 厚生労働省医薬食品局長通知「薬事法第36条の5第2項の『正当な理由』等について」(平成26年3月18日 薬食発0318第6号)
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制Q&A」(令和8年8月7日現在)
- 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」
- 厚生労働省「個人輸入やインターネット購入による健康被害」
執筆・監修
くすりやきゅー(薬剤師/病院・保険薬局で10年以上勤務)
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