市販薬の「第1類」「第2類」とは?要指導医薬品との違いと表示の見方をわかりやすく解説

コラム

市販薬(処方箋なしで薬局やドラッグストアで買える薬)は、法律上「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分かれています。一般用医薬品は、さらにリスクに応じて第1類・第2類・第3類の3つに区分されています。

(出典:医薬品医療機器等法 第4条第5項第3号・第4号、第36条の7)

ドラッグストアで薬を手に取ったとき、箱に「第2類医薬品」や「要指導医薬品」と書かれているのを見たことがある方も多いでしょう。この区分によって、誰が販売できるか、どこまで説明を受けられるか、店頭でどう並べられるかが決まっています。

この記事では、区分ごとの違いと、パッケージや店頭での見分け方を解説します。

市販薬の区分はいくつある?

市販薬の区分を整理すると、次のようになります。

区分販売できる人購入者から質問がなくても行う説明
要指導医薬品(うち特定要指導医薬品)薬剤師対面などで、書面を用いた情報提供と指導が義務
第1類医薬品薬剤師書面を用いた情報提供が義務
第2類医薬品(うち指定第2類医薬品)薬剤師または登録販売者努力義務
第3類医薬品薬剤師または登録販売者法律上の規定は特になし

購入前・購入後の相談には、要指導医薬品・第1類医薬品は薬剤師が、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が対応し、必要な情報提供等を行うことが義務づけられています。

ただし、指定濫用防止医薬品では、第2類・第3類であっても、濫用による健康被害のおそれについて、書面等を用いた情報提供が義務づけられています。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の6第4項・第36条の10第5項、同法施行規則 第159条の17、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」第4章)

第1類・第2類・第3類は、一般用医薬品の中の区分です。要指導医薬品は一般用医薬品には含まれない、別の枠組みです。

なお、一般用医薬品は、カウンター越し(Over The Counter)に販売されることから「OTC医薬品」とも呼ばれます。

(出典:医薬品医療機器等法 第4条第5項第4号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

第1類・第2類・第3類はどう違う?

一般用医薬品は、保健衛生上のリスクに応じて3つに区分されています。第1類・第2類医薬品の指定は、配合されている成分や使用目的などに着目して、厚生労働大臣が行います。

区分法律上の定義厚生労働省の手引きでの説明
第1類医薬品副作用などにより日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうち、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものなど保健衛生上のリスクが特に高い成分が配合された一般用医薬品
第2類医薬品副作用などにより日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品(第1類医薬品を除く)であって、厚生労働大臣が指定するもの保健衛生上のリスクが比較的高い一般用医薬品
第3類医薬品第1類医薬品・第2類医薬品以外の一般用医薬品保健衛生上のリスクが比較的低い一般用医薬品(ただし、日常生活に支障を来す程度ではないが、副作用などにより身体の変調・不調が起こるおそれはある)

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の7第1項、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

指定第2類医薬品とは?

第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものを「指定第2類医薬品」といいます。

厚生労働省の手引きでは、特定の使用者(小児、妊婦など)や飲み合わせについて使用を避けるべき注意事項があり、該当する使い方をすると重大な副作用が起こる危険性が高まる成分や、依存性・習慣性がある成分が配合されたものと説明されています。

区分は見直されることがある

区分は、安全性に関する新しい知見や副作用の発生状況などを踏まえて、見直しが行われています。

例えば、新たに一般用医薬品となった医薬品は、承認後の一定期間、第1類医薬品に分類されます。その間の副作用の発生状況などを評価した結果に基づいて、第1類・第2類・第3類のいずれかに分類されます。

なお、要指導医薬品として承認・指定されたものは、その段階を経て一般用医薬品へ移行します。要指導医薬品から第1類医薬品へ移行したものは、原則として移行後1年間、第1類として取り扱われます。

また、第3類医薬品でも、日常生活に支障を来す程度の副作用を生じるおそれが明らかになった場合には、第1類または第2類に変更されることがあります。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の7第2項、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

要指導医薬品・特定要指導医薬品とは?

要指導医薬品

要指導医薬品とは、適正な使用のために、薬剤師の対面などによる情報提供と、薬学的知見に基づく指導が必要なものとして、厚生労働大臣が指定する医薬品です。

医療用医薬品で使われていた有効成分が初めて配合されたものや、既存の医薬品と明らかに異なる有効成分が配合されたものなどが該当します。毒薬・劇薬にあたる医薬品も、要指導医薬品の指定の対象に含まれます。一定の期間を経過し、一般用医薬品として取り扱うことが適切と認められたものは、一般用医薬品に移ります。

(出典:医薬品医療機器等法 第4条第5項第3号・第6項、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

要指導医薬品は薬剤師が販売し、販売の際には次のような確認が行われます。

  • 購入する人が、その薬を使う本人かどうか(本人以外の場合は、正当な理由があるか)
  • ほかの薬局・店舗での購入状況
  • 説明の内容を理解し、質問がないか

販売できる数量は、適正な使用のために必要と認められる数量に限られ、厚生労働省の通知では、原則として一人一包装単位(一箱、一瓶など)までとされています。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の5、厚生労働省医薬食品局長通知 平成26年3月10日付 薬食発0310第1号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

厚生労働省の「要指導医薬品一覧」(2026年7月31日更新)には、ED治療薬の成分であるタダラフィルを含む製剤も掲載されています。

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特定要指導医薬品

特定要指導医薬品とは、要指導医薬品のうち、適正な使用のために薬剤師の対面による販売が特に必要なものとして、厚生労働大臣が指定するものです。2026年5月1日から設けられた区分で、市販の緊急避妊薬(有効成分:レボノルゲストレル)が指定されています。

特定要指導医薬品も、薬剤師の説明はビデオ通話などで受けられます。ただし、販売は店頭での対面が必要で、説明をした薬剤師と、対面で販売する薬剤師は同じ人でなければなりません。

(出典:医薬品医療機器等法 第4条第3項第4号ロ、令和7年厚生労働省告示第280号、厚生労働省医薬局総務課長通知 令和8年4月17日付 医薬総発0417第2号)

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薬剤師と登録販売者で、売れる薬はどう違う?

区分販売できる人
要指導医薬品・第1類医薬品薬剤師
第2類医薬品・第3類医薬品薬剤師または登録販売者

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の5・第36条の9)

そのため、要指導医薬品や第1類医薬品は、薬剤師がいないと購入できません。要指導医薬品や第1類医薬品を販売しない時間は、それらの陳列区画を閉鎖しなければならないとされています(鍵をかけた陳列設備に陳列している場合を除く)。

また、どの区分でも、販売した薬剤師または登録販売者の氏名と、薬局・店舗の名称、電話番号などの連絡先が購入者に伝えられます。

(出典:厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

薬剤師などの説明はどこまで受けられる?

第1類医薬品は書面での説明が義務

第1類医薬品を販売するときは、薬剤師が書面を用いて必要な情報を提供しなければなりません。その前に、薬剤師は使う人の年齢、ほかに使っている薬、症状、妊娠・授乳の有無などを確認します。使う人がお薬手帳を持っている場合は、必要に応じてお薬手帳を活用した情報提供が行われます。

購入者から説明は要らないという意思表示があっても、説明が省略されるのは、薬剤師が適正に使用されると判断した場合に限られます。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の10、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

第2類・第3類医薬品は相談すれば説明を受けられる

第2類医薬品は、薬剤師または登録販売者が必要な情報を提供するよう努めることとされています(努力義務)。

第3類医薬品は、購入者から相談がない場合の通常の情報提供について、第36条の10に義務・努力義務の規定はありません。ただし、情報提供を行うことが望ましいとされています。

なお、指定濫用防止医薬品では、第2類・第3類であっても、濫用による健康被害のおそれについて、書面等を用いた情報提供が義務づけられています。

指定第2類医薬品を販売するときは、禁忌事項を確認すること、薬剤師または登録販売者に相談することを勧める旨が、購入者に確実に伝わるようにする措置が求められています。

購入前・購入後の相談には、要指導医薬品・第1類医薬品は薬剤師が、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が対応し、必要な情報提供等を行うことが義務づけられています。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の6第4項・第36条の10、同法施行規則 第159条の17、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

パッケージや店頭では、どこを見ればわかる?

パッケージの表示

市販薬の容器や外箱には、区分を示す文字が記載されています。

区分表示
要指導医薬品「要指導医薬品」の文字
第1類〜第3類医薬品「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の文字
指定第2類医薬品上記に加えて、枠の中に「2」の数字
指定濫用防止医薬品「要確認」の文字。内容量が厚生労働大臣の定める数量を超える製品では、「要確認」のうち「要」を丸または四角で囲む

「要指導医薬品」「第1類医薬品」などの区分を示す文字と「要確認」の文字は、原則として黒枠の中に黒字で、8ポイント以上の大きさで記載することとされています。

指定濫用防止医薬品には「要確認」の表示が定められています。ただし、表示には経過措置があり、この表示がない製品が流通している場合もあります。表示だけで判断できない場合は、薬剤師または登録販売者に確認してください。

(出典:医薬品医療機器等法施行規則 第209条の2・第209条の3・第209条の4・第210条・第212条の3、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

店頭での並べ方

薬局やドラッグストアでは、区分ごとに次のように陳列することが決められています。

  • 要指導医薬品と一般用医薬品、第1類・第2類・第3類医薬品は、混在しないように陳列する
  • 要指導医薬品・第1類医薬品は、専用の陳列区画の中に陳列する(鍵をかけた陳列設備や、購入者が直接手を触れられない陳列設備に陳列する場合を除く)
  • 指定第2類医薬品は、情報提供を行う設備から7メートル以内に陳列する(鍵をかけた陳列設備に陳列する場合などを除く)

第2類・第3類医薬品である指定濫用防止医薬品には、別途、専用の陳列区画への陳列や、情報提供を行う設備から7メートル以内に陳列して薬剤師または登録販売者を継続的に配置することなど、陳列に関するルールがあります。

また、薬局や店舗には、各区分の定義と表示に関する解説を、見やすい位置に掲示することが義務づけられています。

(出典:厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

市販薬はネットでも買える?

一般用医薬品と要指導医薬品(特定要指導医薬品を除く)は、薬局や店舗に貯蔵・陳列しているものに限り、インターネットなどでも販売できます。

要指導医薬品をネットで購入する場合は、薬剤師によるビデオ通話などでの情報提供・指導を受ける必要があります。特定要指導医薬品は、ネットでは購入できません。

指定濫用防止医薬品では、18歳未満の人が購入する場合や、18歳以上の人が大容量製品・複数個を購入する場合には、対面またはビデオ通話等による情報提供が必要です。また、18歳未満の人には、法令で定める数量を超えて販売できません。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の11、同法施行規則 第1条の2・第159条の18の6、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

ネット購入の流れや注意点は、「「薬のネット購入」がもっと便利に―2026年5月から要指導医薬品がオンラインで買えるようになりました」で詳しく解説しています。

区分とは別に決められているルールはある?

2026年5月1日から、濫用のおそれがある成分を含む市販薬が「指定濫用防止医薬品」に指定されました。指定の対象は、エフェドリン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジフェンヒドラミン、デキストロメトルファン、プソイドエフェドリン、ブロモバレリル尿素、メチルエフェドリンの8成分とその水和物・塩類を有効成分とする製剤です(外用剤や、生薬を主たる有効成分とする製剤は除く)。

指定濫用防止医薬品は、第1類〜第3類の区分とは別の指定です。購入時に年齢や購入する数量などの確認が行われます。

指定濫用防止医薬品には「要確認」の表示が定められています。ただし、表示には経過措置があり、この表示がない製品が流通している場合もあります。表示だけで判断できない場合は、薬剤師または登録販売者に確認してください。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の11、厚生労働省医薬局長通知 令和8年2月13日付 医薬発0213第1号、厚生労働省医薬局長通知 令和7年12月26日付 医薬発1226第2号、厚生労働省「登録販売者試験問題の作成に関する手引き(令和8年4月)」)

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迷ったときは誰に相談すればいい?

購入前・購入後の相談には、要指導医薬品・第1類医薬品は薬剤師が、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が対応し、必要な情報提供等を行うことが義務づけられています。購入後に使う人から相談があった場合も同じです。購入時に伝えられる販売者の氏名や店舗の連絡先は、購入後の相談にも役立ちます。

第1類医薬品の説明では、必要に応じてお薬手帳が活用されます。厚生労働省の手引きでは、お薬手帳には一般用医薬品についても記録することが重要とされています。

処方薬と市販薬の飲み合わせをまとめて確認してもらえる「かかりつけ薬局」については、「かかりつけ薬局のメリットと2026年からの変化を解説」をご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 第1類と第3類では、どちらが効き目の強い薬ですか?

A. 区分は、副作用などによる健康被害のおそれ(保健衛生上のリスク)に応じて決められています。効き目の強さで分けたものではありません。

Q. 第3類医薬品なら、副作用の心配はありませんか?

A. 第3類医薬品は保健衛生上のリスクが比較的低い区分ですが、厚生労働省の手引きでは、副作用などにより身体の変調・不調が起こるおそれはあるとされています。使用前に添付文書を読み、気になることは薬剤師または登録販売者にご相談ください。

Q. 家族の代わりに要指導医薬品を買えますか?

A. 要指導医薬品は、使う本人以外には、正当な理由がない限り販売されません。厚生労働省の通知では、正当な理由として、大規模災害時などに本人が薬局や店舗に行けず、医師の受診も難しく、代わりの医薬品も手に入らない場合などが挙げられています。購入時には、使う本人かどうかが確認されます。

(出典:医薬品医療機器等法 第36条の5第2項、厚生労働省医薬食品局長通知 平成26年3月18日付 薬食発0318第6号)

Q. 登録販売者しかいない時間に、第1類医薬品は買えますか?

A. 買えません。第1類医薬品と要指導医薬品は、薬剤師が販売することとされています。

Q. 第1類医薬品の説明は断れますか?

A. 説明は要らないという意思表示をしても、説明が省略されるのは、薬剤師が適正に使用されると判断した場合に限られます。

Q. 薬の区分は変わることがありますか?

A. あります。新たに一般用医薬品となった医薬品は、承認後の一定期間は第1類医薬品に分類され、その後の評価に基づいて区分が決まります。要指導医薬品から第1類医薬品へ移行したものは、原則として移行後1年間、第1類として取り扱われます。副作用の状況などによって、区分が変更されることもあります。

Q. 市販の緊急避妊薬はネットで買えますか?

A. 買えません。市販の緊急避妊薬は特定要指導医薬品に該当し、店頭での対面販売が必要です。

Q. 買ったあとで相談してもいいですか?

A. はい。購入後に、購入した人や使う人から相談があった場合も、要指導医薬品・第1類医薬品は薬剤師が、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が対応し、必要な情報提供等を行うことが義務づけられています。

まとめ

  • 市販薬は「要指導医薬品」と「一般用医薬品」に分かれ、一般用医薬品は第1類・第2類・第3類に区分されている
  • 区分は、副作用などによる健康被害のおそれ(保健衛生上のリスク)に応じて決められ、見直されることもある
  • 要指導医薬品と第1類医薬品は薬剤師が販売し、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が販売する
  • 区分はパッケージの「第1類医薬品」などの表示で確認できる。指定第2類医薬品には枠の中に「2」の表示がある
  • 購入前・購入後の相談には、要指導医薬品・第1類医薬品は薬剤師が、第2類・第3類医薬品は薬剤師または登録販売者が対応する

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、医学的な診断や治療の代替となるものではありません。気になる症状がある場合や判断に迷う場合は、必ず医師・薬剤師にご相談ください。

参考文献・出典


執筆・監修

くすりやきゅー(薬剤師/病院・保険薬局で10年以上勤務)
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